2009年10月23日金曜日

二極的存在




雁が群れをなして飛んで行くの見たことがありますか?大体8羽から10羽くらいの群れで、Vの字になって美しい隊列を作って飛んでいます。あんなふうに整然とV の形を乱さないで動くのは、人間でも難しいと思う。でも雁はいつも飛ぶときはそんな風に飛んでいます。

これを見て思うのですが、雁というのは個人個人の位置だけでなく、全体の位置がわかっているに違いない。でも首をひねってみてるわけでもないので、おそらく人間には理解できないテレパシーのようなものがあって、個体としての位置と全体としての位置がわかっているんだろうなあと思います。

わたしがよく書くアブラハムの教えは、たくさん本が出ている割には結構内容がシンプルなんですが、その一番基本的な教えは次のようなものです。

人間は生まれる前はどこかからやってきて、死んでからどこかに行くという考え方は間違っている。人間は生まれる前も生まれてからも、源(Source)、もしくは人間が神と呼ぶものの延長である。人間とは神のエネルギーが人間の体を通して体現されたもので、生前と死後だけでなく、生きているときも常に神の延長、一部である。つまり、肉体としての自分と神の延長としての自分という二極性を持って存在する。

とまあ、こう日本語に訳して書くと堅苦しいんですが、つまり、木漏れ日が太陽の光の一部であるように、波しぶきが海の一部であるように、人間の中を流れる魂・エネルギーは神の一部である。ということです。

で、雁が空を飛んでいるのを見ると、本当に個々の鳥の個人的な視点のほかに、全体を見る視点(神)とつながってるなあと、しみじみ思います。

それからいわしの群れ。野生動物の番組などでやっているいわしの大群を見ていると、何万ものいわしが、まったく同時に泳ぐ方向を変えます。するとそのたびに光の反射が変わって、見ているのはすごくきれい。まるで北朝鮮のマスゲームみたい。でもマスゲームは何ヶ月も練習しますが、これはただ自然に同時に方向を変えています。これを見ても、雁の群れを見るときと同じようなことを思います。


これに限らず、動物の行動を見てみると、神が存在する、とまでは言わなくても、人間のわからない何かがあるなあということが多い。

アフリカのある国のある場所で、年に一度わにの大群が集まるところがあるんです。川沿いのその場所にあちらこちらからわにがたくさんやってきて、数日待機しています。何を待っているかというと、年に一度その川が氾濫して、そのときにたくさんの魚が浅瀬を抜けられなくなって、大漁食べ放題になるからです。

それだけでも結構わにって賢いのねと思うのに、実はもっと驚くことがあります。というのはこの川の氾濫は最近始まったことなんです。川の上流にダムが出来て、それ以来年に一回川が氾濫するようになった。それがどういうわけかその情報がすごい勢いで大量のわにの間で広まって、はるばる遠くの川からも年に一度きっちりと間違うことなくやってくるんです。

年に一度というのは、月の満ち欠けとか太陽の位置で、野生動物にはわかるのかもしれない。でもどうして最近氾濫するようになった川の情報が、そんなに早く伝わるのでしょう?わにって進化論的にはかなり原始的な動物のはずなのに、すごいことだと思いませんか?

わにも人間のように二極的な魂を持っていて、個体としての知識と全体としての知識があるんじゃないかなあ。

これでもかというように別の例をとると、かえるの話。アフリカだったかアマゾンだったかのある種類の蛙は、メスが卵を産むとオスがそれを食べちゃいます。でも実はそれは食べているのではなく、口に入れて無事に孵化するまで世話をするんですって。まあこれって本能といえば本能かもしれないけれど、すごく複雑な本能だと思いませんか。

これに限らず、動物の交尾というのはすごく複雑な本能行為。生物学的にだけ考えれば、人間は交尾行為をすごく複雑に社会のシステムに組み込んで、結婚だとか宗教だとか一夫一妻制だとか多妻制だとか不倫だとかマナーだとか、とにかくややこしい。それほどややこしいものなのに、どうして動物界ではすんなりと運ぶんでしょう?たとえば何も考えていないとしか思えない、自分がオスかメスかすら知らない魚が、どうしてメスが卵を産むとオスがちゃんと精子をかけるのでしょう?本能といってしまえばそうだけど、これってすごく複雑な行為だと思いませんか?メスとオスという別々の個体が、かなり原始的な生物まで、きちんと寄り合って交尾して種を保っているというのは、個別の個体としての知性のほかに、全体としての知性が備わっているに違いない。

人間というのは考える生き物です。だからすばらしいんですが、そのせいで「全体としての知性」、つまり神につながった部分の知性がすんなり入ってこない。そうアブラハムは言います。

話が堅くなりました。今日は明日は土曜だし、最近はおばさんのこととか秋が来てしまった愚痴だとか、軽い内容のことばかり書いていたので、ちょっと難しい話をしてみました。

ところでここに書いたようなことは、野生動物の番組を見ていて思ったんですが、イギリスにはデビット・アテンバラ(David Attenbourough)という著名なテレビの野生動物番組のプレゼンターがいます。すごく昔からやっていて、今は70歳位かな。今も現役で、また最近新しいシリーズが始まりました。

それで気づいたんですが、子供のころ日本で毎週木曜日の7時から見ていた「野生の王国」という番組があるんですが、その番組って多分この人の番組だったんです。野生動物の番組だから簡単に吹き替えして、日本で流していたんでしょうね。大好きな番組で、これを見て子供のことは獣医になりたいとずっと思っていました。
写真は話をわかりやすくするために適当にネットで探しましたので、あしからず。

8 件のコメント:

こんの さんのコメント...

どうコメントしたらいいのか...こういう内容の場合(難しいなぁ)と困惑してしまいます
あつこさんが、そのように考えて、そう思っておられるから、こういう文になったのですよね
それはよく分かります
「二極的存在」ですかぁ...
まだまだ分からないことがたくさんあるのですよねぇ
見えたり、触ったり、または感じたりできればもっとよく分かるのでしょうが...

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、自分で書いていて、わかりにくいだろうなあと思いながら書いていました。言葉はわかっても、どういう意味がわかりにくいだろうなあと。

私も長年こういうことを考えていて、最近なんとなく判ったような気がしてきたので、なかなか人にうまく説明するのは難しいですね。

まああまり困惑せず、あつこさんってこんな風に変わった考えを持った人なのかと、おおらかに見てやってください。私の友人たちも、その辺は承知して付き合ってくれてるみたいです。ありがたやー。

本読みと山歩き さんのコメント...

「野生の王国」なつかしいな。
小さい頃、父親がみていって一緒に良く見ていた。食物連鎖ってこういうことかと初めてしった番組でした。

「二極的存在」おもしろい題材です。
私は、動物の行動(含む人間)はすべて“利己的遺伝子”に組み込まれているという考えを信じています。
子孫を残す行動も、古くなった肉体をすて、自分(遺伝子)の複製を新しい肉体へ移動させ、遺伝子自体は永遠に涸れることなく
存在することができるのです。
 言い方は悪いですが、人間はその遺伝子の“乗り物”に過ぎないという考えです。
 個と全体の関係もこの視点でみると面白い。雁のV字は先頭が風をきるので、後続は楽にとべる、イワシは個は小さいので大きく見せる、どれも個が生き長らえるために取るべく遺伝子に組み込まれたプログラム。所詮は自己(遺伝子)防衛の一つ。
 遺伝子学という小難しい話はよくわかりませんでしたが、この視点なかなか面白い。
それじゃ、遺伝子のプログラムってなんんじゃという話になるのですが。
まだまだわからないことはたくさんでしょう。
アブラハムとやらの教えはそれを知っていてるかも。

あくあ さんのコメント...

ん?私はアブラハムを信じることのできる人だからかもしれませんが、別にむずかしくもなく、そりゃそうだわな・・・と自然に読ませていただきましたよ。おばさんの話と同じ感じ。

魚の群れ、実際に海の中で見ましたよ。くるくる回転してるの。すごかった。

海の中のサンゴみたいに、あり得ないほど美しいものを見ても、ま、偶然こんなものが出来たと思う方がおかしいんじゃないの・・・と思います。

何のどういう意図なのかしりませんが、ま、なんかありますよ。私たちの届かないところにね。

好きなように生きて、人生を楽しみましょう。

Atsuko さんのコメント...

山歩きさん、利己的遺伝子、Selfish Gene、リチャード・ドーキンスですね。(夜間大学で心理学を勉強していたときに習いました。)確かにそれは私も真理だとは思うんですが、それにしてもわからないのは、まったく別々の個体がどうしてそうやって集団できちんと行動できるのかということです。

たとえば雁がV 字型に飛ぶのはおっしゃるとおり進化論的に見て理にかなったことだけど、一体どうやって誰が先頭に、誰が2番手に飛ぶことに決めるのか。いつも同じポジションなのか。もしも1羽が死んでしまったらどうなるのか。鏡があるわけでも後ろを振り返って自分のポジションを確認するわけでもないのに、どうしてあんなふうにきれいにフォーメーションできるのか。いわしにしても、どうしていっせいに同時に方向を変えることが出来るのか。

良くわからないと思いませんか?

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、アブラハムの本、普通の人はなかなか始めはわかりにくいと思うんだけど、あくあさんもその手の話や本、よく知ってるんですね。

まだブログに書いてくれていませんよ。あくあさんの視点、興味あります。

アブラハムの本5冊くらいは出てると思います。書いてる内容はあまり変わらないけど、読むたびに違うところがわかってくるし、考え方の習慣を変えるのは簡単ではないから、私は出てくるたびに本を読んで、DVDやYouTubeのビデオも見て、いつも前向きに考えられるように自分をトレーニングしてます。

もう2年くらい浸ってますが、今までのところ矛盾するとか、これはちょっとという部分はないですね。むしろ「そういうことだったのか。これでつじつまが合った。」というような、目が覚めるようなことがたくさんあります。

まあ堅い話はともかく、全体として自分がhappyな人間になった気がしますね。人のいうことや考えることもあまり気にならなくなったな。

本読みと山歩き さんのコメント...

雁やイワシの先頭はどうやってきまるか?
それは雁とイワシに聞かないと。
また夜も寝れなくなってきた。(古!)

Atsuko さんのコメント...

山歩きさん、でしょ?自然界のことってわからないことだらけでしょ?

今日もテレビでミアキャット(meerkat)の生態を見ていたら、これは群れで暮らして、交代で見張りをするらしいのです。誰がその当番表を作るのでしょう?人間のように、さぼるやつとかがいるのでしょうか?