2009年10月15日木曜日

日本のこと

今日はチャーリーは学校で俳句を作りました。宿題も2首俳句を書くことです。チャーリーは詩が好きなので、喜んで時間をかけて宿題してました。学校で書いてきたのをタイプしてあげたら喜んでた。

俳句というのはイギリスやアメリカの小学校ではよく作るようです。イギリス人も、ちょっと教育のある人は俳句がどういうものか知っています。といってももうこちらの文化になじみすぎて、英語のhaikuは俳句とはちょっと違ってきてます。小学生のレベルでは、ただ5.7.5の17音節(syllable)になっていれば良いようです。そこに今日の宿題では、比喩を入れることとなっていました。

ひとつだけここに載せます。

The Deer

Hunters are runnning
While the deer is hiding
Like the mice in holes

あ、これだと真ん中の行が6シラブルだなあ。まあいいか。ハンターに追われてねずみのように小さくなって隠れる鹿の姿がよくかけてます。

いつもコメントをくれるあくあさんのブログに、誰かが「日本人ももっと自信を持っても良いんじゃないか」というようなことが書いてあって、ちょっと意外でした。わたしが日本を出た20数年前に比べると、日本人って世界に対してすごく自信を持ってるんじゃないかと思ってました。まだこんなこというくらい、コンプレックスがあるのかなあ。

たとえば昨日たまたまウエブサイト見ていたら、イギリスのタイムアウト誌の投票で、歴代アニメの人気投票の一位が「隣のととろ」だったらしいのですが、そのことを書いた日本語の記事で、「驚くべきことに、」と書いてありました。でもこれはイギリスから見ると驚くことでもなんでもない。日本のアニメはすごく評価が高くて、子供番組では吹き替えで当たり前のようにやってるし(ポケモン、マリオ、ドラゴンボール、ムーミン、鉄腕アトムなど)、anime, mangaというのはイギリス人のボキャブラリーに入ってます。隣のととろが1位になるのは、予想通りとは言わないけれど、別に驚くようなことでもありません。

先週ハートランドと言う海岸に友達と行ったとき、海の中に浮かんでいるサーファーを見つけて、サーフィンの話になりました。それで波の形の話になり、「北斎の絵のような」と、イギリス人が普通に言っていました。ちなみにあの有名な遠くに富士山の見える波の絵は、英語ではthe great wavesと言われています。

教育レベルにもよるので一概には言えないけれど、普通の教養のあるイギリス人は、日本の文化や長い歴史や、繊細な芸術感覚や、コンテンポラリーアート、礼儀正しさなどをきちんと評価しています。

シティーで働いていたときは、日本人が経営する日本人20人、イギリス人80人くらいの証券会社だったのですが、セールスデスクやトレーダー仲間のイギリス人たちは、自分たちは日本人みたいに礼儀正しくないので、上司やお客さんに失礼があるのではないかとよく気を使ってました。(というかそういう礼儀正しい人もいました。)

ルイの友達でも柔道や空手をやってる子がいますが、彼らは日本語で数えられるし、道場だとか先生だとか、必要な日本語も知っています。こういった武道の教室では、日本的に先生に対する尊敬だとか礼儀が重視されていてしつけが厳しく、それも親が子供をこういう教室に送る理由のひとつです。

まあこれはイギリスに住んでいるイギリス人のことで、日本に住む外国人とは、ちょっと違うと思うかもしれません。イギリスにいるからこそ、日本は遠い神秘的な国に思えるのでしょう。実際日本に住んでしまうと、そういった神秘的な幻想は崩れるのかも。

日本人って日本が世界に誇れることは、本田だとかソニーだとかのテクノロジーだと思っていますし、実際それは間違ってはいないのですが、それだけではないと思います。古来の伝統や美的感覚、工芸はまだまだ非常に高く評価されているし、現代映画やアートのリーディングエッジ的感覚、そして子供にはアニメやゲームのすごい国だと思われてます。

ちなみに日本経済は、イギリスからはまだまだ遠く、イギリス経済への影響力はぜんぜんありません。日本の通貨が円だということくらいはたいていのイギリス人はは知っていると思うんですが。政治にいたっては、99.999パーセントのイギリス人は、日本の政治のことを何にも知りません。イギリス人の政治家でも、急に聞かれると総理大臣の名前も言えないんじゃないかなあ。私も知りません。ハトヤマ?さんでしたっけ?

4 件のコメント:

こんの さんのコメント...

今日のブログも(こういうのがいい!!)と拍手を打ちました
こういうのが読めるって、貴重で、嬉しくなります
(あぁ、そうなんだぁ)と頷きます
ありがとう

英語の俳句 英語がダメですから、いいのはどうか分かりません
日本の俳句?も、なかなか難しく感じ、作ってみたことがありますがギブアップ
専ら観賞専門?です

Atsuko さんのコメント...

結構意外なものがイギリスでは知られているんですよね。鯉、カラオケ、わさび、禅、なんかは誰でも知っています。今までにイギリス人に聞かれて返事に窮したのは、(バイオリンの)鈴木メソッド、縄文時代、トンボだま、手まり、ねつけ。知ってる人は日本人以上に知ってます。

あくあ さんのコメント...

この詩、チャーリーちゃんが作ったの?すごいねぇ。才能あるねぇ。

Atsuko さんのコメント...

ね、私もそうだと思った。なかなか9歳にしてはたいしたものですね。親ばかか?