おととい書いたジョンとエドワードの続き。おとといのブログには書き忘れたのですが、このX ファクターというのはスター誕生のような、素人が出てきて競い合う番組です。
土曜日にジョンとエドワードが登場したときは、歌う前から観客はブーイング、終わってからも審査員は一人を除いてはひどいコメントです。特に口の悪いことで有名なサイモン・カウルは、「テレビだから何とか救われるが、これがラジオだったら、これ以上最悪のものはない。」とひどいコメントです。翌日の結果発表では、二人が無事通過と発表されると、またまた会場から大ブーイング。
インターネットはこれよりもさらにひどい。Facebookには「反ジョンとエドワード」のグループがいくつも出来ていて、そのためのウエブサイトもたくさん作られました。YouTubeのコメントも、どうしてこんなひどいことを、というような内容がたくさん。その上おとといのコメントにもちょっと書きましたが、ネットの大きな旅行会社lastminute.comが、二人にアイルランド行きの片道飛行機の切符をただでプレゼントすると発表しました。ここまできたらもうマスコミのいじめです。
そうなるとますますかわいそうになります。それで私もわざわざそのためにFacebookに参加して、二人に激励のコメントを送りました。
でも彼らのビデオダイアリーを見ると、少なくとも表面的にはこんな批判にはまけずにがんばってるようです。
'Hi, Haters, No point hating us because we love you! We love you haters!'
(僕らのことが嫌いな皆さん、嫌っても無駄ですよ。だって僕らはあなたを愛してるから。愛してるよー!)
それで今日の大衆紙によると、なんと嬉しいことに土曜日の結果発表はこの双子が10組の中で一番多くの票(視聴者の電話投票)を集めたとか。(番組では得票数が一番少ない人が振り落とされるだけで、得票数の順位は発表されない。)
それであちこちの新聞で、どうしてこの歌えない踊れない二人がこんなに熱狂的に受けてるのかについての分析が載っていました。
双子でかわいいから女の子に好かれるだとか、アイルランド出身なのでアイルランド人が投票している等のわかりやすい理由のほかには、あまりにも新聞やメディアで叩かれるので、同情票が多いのではないかとか、審査員にいじめられてかわいそうなので、アンチサイモン・カウル派が投票してるのではないかとのことでした。
彼らのファンは大衆だけではありません。この番組のほかの11人の競争相手も彼らのことは絶賛していて、中には「実は5回も電話投票した。」といった人もいました。イギリスでは大スターのロビー・ウィリアムズも彼らのファンで、最近のコンサートで「ジョンとエドワードに投票しよう」といってブーイングされたとか。
私も自分で、どうしてこんなに彼らのことが気になるのか、好きなのかと考えてました。
この番組って普段はテレビを見ないわたしがブログに書くくらいなので、こちらではすごい視聴率の番組なんです。今までこれで勝ち残った人は即レコードデビューして全米ナンバーワンになったり、スーパースターの登竜門となってます。だからすごい額のお金が絡んでいるし、音楽産業の実力者やレコード会社の利害がすごく絡んでいる。一言で言うと、巨大ビジネスなんです。
この二人はつい先週18歳になったばかりの若者です。やっぱり若造だから元気が良いなあ、と思っていたのですが、よく考えてみると、今残っている9人のうち20才以上は3人くらいで、後は皆同じくらいの歳。一番若い男の子は16歳です。でもその中で、ジョンとエドワードだけが若者らしく生き生きしてるんです。ほかの全員は、歌はうまくてソツがないけど、この大きい音楽産業のスポットライトに当たって、萎縮してしまっている。テレビプロデューサーだとかレコードプロデューサーだとか、そういった有力者の操り人形、つまりは金蔓となることを嬉々として受け入れているって感じがします。
そして彼らはインタビューでは必ずといって、超深刻な顔で、時には涙ながらに視聴者に彼らに投票してくれることを訴えます。
「これは僕の最後のチャンスなんです。」
「僕をここまで支えてくれた両親のためにも、ぜひ投票してください。」
「これはすべて一人息子のためにやっています。これが私の唯一のチャンスなんです。」
「歌以外私には生きる支えがありません。歌こそ私の命です。」
「子供のころの夢でした。どうか僕に・私にチャンスをください。」
こんな調子です。
でもジョンとエドワードはぜんぜん違うんです。こんなに新聞や審査員にひどいことを言われても、ネットにひどいことを書かれても、いつも元気で楽しそうで生き生きしてます。本当に歳相応、18歳の若者らしいんです。
彼らのビデオダイアリーやインタビューはこんな感じです。
「昨日ホイットニー・ヒューストンに合ったんだよ!すごいよね。こんな大スターに遭えるなんて、本当にすごい!」
「(バックステージで)見て見て、このマイクロフォン(耳にかけるタイプ)。すごいでしょ、まるでスーパースターみたいでしょ。まだステージで歌ったこと2回しかないのに。」
「今日の歌はせりふあるんだよね。今までXファクターでせりふ言った人はいないから、僕らがはじめてなんだよ。歴史的だなあ。」
「今からステージだ。すごいなあ。すごい興奮してる。がんばるぞー!!」(緊張のかけらもなし)
彼らって本当に本物、まがい物でない本当の若者って言う感じがします。しかもこんなに巨額のお金が動く巨大産業の渦中で、国を挙げてのマスメディアのいじめにあって、それでもぜんぜん動じない。まったく普通にしています。ぜんぜん萎縮していないし、自分たちのイメージを変えようともしないし、メディアに反発もしない。ただただひょんなことから毎週こんなに大きいステージで歌えて、有名になって、楽しくって仕方がないって感じ。
彼らを見てると、こっちまで楽しくなります。彼らの自由な生き生きしたエネルギーが伝わってきて、こっちまで心がわくわくしてくる。
もっと見たいなあという人のために、別の週のリンク載せておきます。これはインタビューと審査員のコメントが入っているのでちょっと長くて6分くらいなんですが、退屈させませんよ。はじめのインタビューで、審査員に「歌が下手」といわれたことについて、「僕らに歌が下手というなんて、デビッド・ベカムにサッカーが下手というようなもんだ。」と真顔で言っています。サイコー。
6 件のコメント:
見ました。にこにこしながら嬉しくなって...
あつこさんが気になる気持もよく分かるような気がしますです
歌や踊りの上手・下手さはよく分かりませんですが、見ていて楽しい!!です
いかにも若者らしいよさが随所に感じられます
英語がさっぱり分かりませんですが、楽しいです。見ているだけでとても楽しいですねぇ
へんに玄人っぽさがないのがフレッシュな印象でいいなぁ
見ていただけましたか。ありがとうございます。そうなんです。見ていて、嫌なことなんて忘れて楽しくなります。
インターネットでは、ファンのサイトがひとつと、「双子を追い出せ」のサイトが50個くらいあります。早速ファンのほうに入りました。
こんな素人の若者のことをこんなにひどく書くなんて、ひどい人がたくさんいるんだなあと思いますが、一方ではそのせいでファンも増えて行ってるようです。私ももともとは「かわいそう」から入ったほうですから。
いやー、サイコー。かわいいよ、彼ら。しゃべってるときは、えらいなまり?で、何言ってるかよくわからなかったけど。歌もど下手だけど、ダンスも下手だけど、とにかくかわいい。笑える。
なんで悪く言う人がいるのかねぇ。期待値が別のところにあるんでしょうね。
けど、おばさんにうけるタイプかもよ?私はおばさんじゃないけど。
今後の合否も都度ご報告お願いします。
日本でもあくあさん、こんのさんのファンを増やしてよかった。なんかよくわからないけど、ミョーにかわいいし、なんか憎めなくて、あどけないというかかわいらしいというか悪びれないというか。
これは歌唱力を競い合うまじめな番組だと、怒ってる人が多いみたいなんですが、その番組のシリアスさを茶化したい人にもすごく受けてるんだろうね。こういうの日本だとすごく受けると思うんだけど。
言葉はアイルランド訛りをアメリカ訛りで隠してるような感じです。ちょっとアイルランド訛りって米語と似てるんだよね。ダブリンの若者はこういう話し方なのかもしれない。
他の出演者のレベルがわからないけど、ジョンとエドワードを見てる限りでは歌もダンスも下手だとは思わないですが…日本のジャニーズよりうまいと思う。
何より顔がかわいいし(昔のディカプリオみたい)、双子でおしゃれで見た目のインパクトもあるし、ステージ派手だし、人気出ると思うけどなー(特に日本で)。
マジメな顔して上手な歌声聞かせられるだけなら素人でもいっぱいいるけど、スターになるなら歌唱力やダンス力だけでない「スター性」みたいなのがいると思う。彼らにはそれがあるのかも。
あさん、歌が下手と入っても、歌唱力派ではないというだけで、別にぜんぜん歌えないわけではないよね。ほんと、SMAPよりもうまいんじゃないかなあ。踊りもそれほどうまくはないけど、でも今までダンスのトレーニングを受けたわけでもないし、素人でこれだけ歌って踊れたら、将来有望ですよね。
X ファクターでの結果がどうであれ、今年のクリスマスまでにレコードが出て、ナンバーワンになるんじゃないかという声も出てます。日本のラジオで流れる日も近いか?
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