2009年10月24日土曜日

クエスチョンタイム

イギリスには毎週クエスチョンタイムという番組があります。かなり堅いまじめな討論番組で、毎週4人ゲストのパネラー(質問に答える人たち)が出場し、会場の質問者からの質問に答えます。パネラーは大体政治家が3人、ジャーナリストが一人です。政治家は現職の政治家だけでなく、昔の政治家も出てきます。もちろん別々の政党からです。時には総理大臣が出ることもあるほど、注目度の高いレベルの高い番組です。会場の聴衆も政治に詳しい人や、少なくとも何か言いたいことのあるひとばかりで、かなり白熱した討論番組です。

それで先日はBritish National Party (BNP)の党首が出ていました。これは極右のナチ政治団体で、10年くらい前まではアングラな政党でした。白人主義、コーカサス人主義、反有色人種、反移民の政党。でも数年前に若い頭の良い党首が現れて、この政策をちょっと耳障りの良いものにしました。

「イギリスはイギリス人のものだ。外国人はイギリス人の職を奪う。移民反対、異人種間結婚反対。先祖代々イギリス人だった人たちが自分の国で優先されてどこが悪い。」と正当化して訴えはじめました。それでイギリスの低教育、低所得の手に職のない白人イギリス人の間で支持者が増えて、前回の地方選挙では2議席もどこかの地方都市の市議会の席を確保しました。

(でも実はイギリスは技術と教育のある労働力不足で、教育の高い東欧からの移民がないと病院なんて医者不足、看護婦不足で回らないし、建築業もよく働くポーランド人なしでは人手不足だし、しかも日本と同じ高齢者の人口が増えすぎて、移民という若い労働力なしでは年金もまかなえないんですけど。)

それでもBNP の支持者だというのは大きな声ではいえることではなく、どこかの新聞がその党員のリストをすっぱ抜いて、そこに現職のおまわりさんや学校の先生がいて問題になりました。

私はアブラハムの教えに従って、気分の悪くなるとわかってることは避けるようにしていますから、最近はニュースもぜんぜん見ないし、テレビもこういった政治番組は見ません。で、この日もこんなのは見ないでコンピューターに向かっていたのですが、同じ部屋でデイブが見始めました。それでも無視してブログを書いていたのですが、やっぱり少しは耳に入ってきました。

この番組はいつも対立する政党の政治家がパネラーですし、オーディエンスも熱が入っていますから、白熱する激討にはなりますが、そこはジェントルマンの国、お互いを侮辱したり無礼なことは言いません。でもこの日はかなりオーディエンスの発言は感情的だったり、ブーイングが出たりしてました。(どちらのどういう意見に対してかは不明)

それで最後にパネラーが一言ずつまとめを言います。この日のほかのパネラーは保守党(野党)の若い女性議員(インド人とのハーフ)、別の野党の著名な黒人女性議員、そして労働党の国務大臣(というか、正確にはLord Chancellor and Secretary of State for Justiceというすごく重要な地位の大臣)でした。この3人が普段はいくら激しい討論になってもあくまでも文明人的ジェントルマン的程度を崩さないのに、この日ばかりは嫌悪感を丸出しにして最後を締めくくっていました。

「BBCが彼をパネルに呼んで本当によかった。この場でオーディエンスの質問にあって、彼の本性がどんなものか、BNPがどんなにか汚らわしい人種差別主義者、ナチ主義者であるか、視聴者にわかってもらえたと思う。イギリスの政治にはこの政党のための場所などない。」というような発言でした。

このテレビ番組を背中で聴いていて、私ってアブラハムの教えを読み出してから、本当に進歩したなあと自分で嬉しくなりました。

昔だったら、まず第一にこういうものをわざわざ見て、テレビに対して怒りまくっていたかもしれない。そしてBNPやこの党首、そしてこの政党に投票する人たちに対する嫌悪と怒りで一杯になったでしょう。もちろん私は有色人種の移民ですから、居心地の悪い思いというか、自分が彼らの攻撃の対象になったように感じたと思います。

それが今回はまず見ようとも思わなかったでしょ。それでもデイブが見ていても、「まあ良いや、私はほかに気を向ければ。」と思って、意識を払わなかったでしょ。

そして「こんな考え方をする人がイギリスにはまだまだたくさんいる。なんとナチ的な怖いことだ。」と思う代わりに、こういう団体を嫌悪して弾劾する白人のイギリス人がたくさんいるのだなあ、イギリスって文化的で良識のある懐の深い良い国だなあと思いました。そしてこの党首に対しても、まあそういう考えの人もいるのね、という感じで別に何も思いませんでした。

「ハハハ、私はもう永住権もらってるもんねー。あんたにはどうにも出来ないもんねー。」という感じ。

私の友達で、日本の大学を出てイギリスで大学院で博士業を取る勉強をしていた人がいるのですが、11年前に急に大病になり生死の境目をさまよって、それ以来チャネルできるようになり、日本に帰って霊媒になった人がいます。彼女がよく言っていました。「光が強くなると影が濃くなる。」って。

物事にはすべて二極性があります。ある力が強まると、それに反する力も強まる。こんな風に排他的、反移民的声が高まるのは、それだけ世界が狭くなって、人々の動きが活発になり、異人種間の接触や融合、協力や調和があらゆる意味でますます強くなってきているからなんだなあ。その流れはもう誰にも押しとどめることが出来ないところまで来ているので、そういう反移民の声も同時に高まっているのだなあ。世界は人種間の友好や強調がますます盛んになり、どんどん住みやすい平和な良い世界になってきているのだなあ。いいこと、いいこと。すばらしいこと。

アブラハムの教え、私にはぴったりの教えです。

2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

アブラハムの教え、見事に効いているようですね。私はスピリチュアル系のものは、もう20~30年も読んでいるので、アブラハムも違和感なくすっと入ってきました。引き寄せの法則が自分が自然に信じていた考え方だったから、より気になる存在ですね。まだ一冊しか読んでないけど、徐々に読み進めます。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、アブラハムの本には、人にあまりいわないようにって書いたあるんですよ。こういうことがわかる人は少ないから、人に言うと煙たがられますよ。アブラハムの教えを知りたい人は引き寄せの法則が引き寄せますから、放っておきなさいって。

あくあさんも引き寄せの法則が引き寄せましたね。