2009年10月17日土曜日

ハイ・ロープ

今日はルイのお誕生日パーティー、という歳でもないので、友達を一人連れて、チャーリーと3人で近所に最近出来た、ハイ・ロープというところに行きました。これはスケールの大きいジャングルジムのようなものなのですが、実はそれが地上から10メートくらいのところにあるんです。

説明するよりも写真のほうが早いので、いくつか載せます。これはわたしが取ったのではなく、そのセンターのサイトからのものです。何せ地上から遠くはなれているので、私のカメラでは撮れない!

これに行くには、まずヘルメットをつけて、バンジージャンプのときのような胴衣をつけます。それをこのジャングルジムの上についているレールに接続します。だからもちろん足を踏み外しても落ちないし(その高さで宙吊りなる)、宙吊り状態で足をふって飛び乗ったり、宙吊りになったまま身動きできなくなり、助けに来てもらわなければいけない子供もいます。

これを予約したときに年齢制限を聞くと、手を伸ばして180センチに届かないとだめとのこと。チャーリーはぎりぎり大丈夫でした。

予約したのは3週間くらい前なのですが、昨日位からルイはすごく楽しみにしてました。チャーリーははじめはすごく乗り気だったのに、昨日からちょっと心配そうでした。

背のほうはルイは私よりちょっと低いくらいで、3人の中では一番背が高い。友達のクリスはチャーリーと同じくらいなのですが、彼は昔から腕力が強くて、木登りもジャングルジムの大得意です。

今日行ってみると、ちょっと混んでいて、3人とも胴衣を着てヘルメットをつけて、地上10メートルくらいのやぐらの上でかなり長いこと待たされていました。その間おそらくほかのグループの子供たち(チャーリーの知り合いのルイと同じ年の女の子のグループ)を見ていました。私たちも下から見ていると、かなり難しそうです。途中で宙吊りになって動けなくなったり、助けが必要になった子供たちもいました。ルイとクリスは大丈夫だと思うんだけど、チャーリーは大丈夫かなあ。自信たっぷりに全部平気そうにこなすか、それとも泣き出すんじゃないかと思ってたのですが。

いよいよ3人の番が来ました。まず最初に初心者向きのコースを回って、そのあとでちょっと難しいコース、そしてその後にやぐらの一番上から30メートルくらいのジップ・ワイヤーでぶら下がって下まで降ります。一番手はルイ。そのちょっと後がクリス。この二人はちょっと苦労しながらも、何とか楽しそうにやっています。その後がチャーリー。一番初めの難関は何とか通過したんですが、その後じっとしたまま動かない。それで下まで近づいて見上げると泣いています。地上10メートルの、誰も周りに人がいないところで。ルイたちはもう先にいてしまったし、私たちも近づけません。かわいそー。そしてなんとしたことか、彼女は今来たコース(スタートから3メートルくらいしか来ていない)を後戻りし始めました。

ああこれで終わりか。10ポンド払って、長い間やぐらの上で順番を待って、5分とやらなかったなあ、と思っていたら、それを見てインストラクターの人がやってきました。そして何とか泣き止んで、その人と一緒にまた進み始めました。

5分くらいすると、インストラクターはどこかに行ってしましました。で、またチャーリーは一人で取り残されました。でも今度は何とかかんばっています。私も下から声をかけて、手を伸ばせだの、勢いを付けてジャンプしてつかまれだの、指示します。一人で誰も助けてくれる人がいないので怖かったのか、そうして声援すると、何とか気を取り直してして元気にコースを回し始めました。ルイとクリスも「チャーリーがんばれ」と遠くから声援しています。

チャーリーがまだコースの半分くらいの位置で、ルイとクリスは初心者コースは終わり、上級者コースへ。ルイは一箇所進めなくなったところがあり、インストラクターから指示を受けて何とかそこは通過、その後は簡単に全部回りました。クリスは一箇所どうしても動けなくなり、宙ぶらりんの状態で、インストラクターの助けが来るのを5分くらい待たなければいけませんでした。ルイよりちょっと背が低い分、難しかったようです。

その間、チャーリーは何とか最後まで初心者コースを終えてやぐらに帰ってきました。そしてそこから、「もう次のコースはしたくないよ!」と地上の私たちに叫んできました。でも声は元気そうです。「わかった!良くがんばった!!」

その後やぐらを階段から降りてくるのかなあと思っていたら、ジップ・ワイヤーで元気に風を切って地上に降り立ち、顔を上気させて駆け足で戻ってきました。これがジップワイヤー。結構怖そうでしょ。これに勢いをつけてぶら下がって、下まで斜めに滑り降ります。

チャーリーはこのすぐ後にお友達の家に行くことになっていたので、早くヘルメットと胴衣をはずして用意するように行っても、なかなかしません。なんか興奮状態です。アドレナリンが体中を走り回ってるという感じで、嬉しそう。さっきまで泣いていたのに、一人で何とかコースを回れて、嬉しくて自信がついてたみたいです。うちはお父さんが高所恐怖症なので、子供たちもそうなる可能性があるかな後思っていましたが、ぜんぜん大丈夫みたいです。


その後すぐにチャーリーはお友達の家に行って今日はお泊りです。

クリスは今日はうちに泊まります。晩御飯は手作りピザ。そしてチョコレートケーキを一応誕生日のお祝いだからと作ったんですが、11歳のルイちゃんは友達の手前恥ずかしがって、キャンドルもハッピーバースデーの歌もいらないとのことだったので、ただ普通に切って食べました。

このピザは焼く前の状態。


その後二人で任天堂DSで遊んで、もう一緒に2段ベッドで寝ています。

明日は二人とも今シーズン初のラグビーの試合で、ここから2時間近くかかる南デボンの町に10時15分に集合です。だからデイブが二人を連れて8時過ぎに家を出て行きます。私はチャーリーを10時半に友達の家に迎えに行くので、それまではゆっくり朝寝が出来そう。

ところでこのハイ・ロープ、晩御飯のときにルイとクリスに聞くと、女の子たちは泣いていた子がたくさんいたとか。そりゃそうでしょう。下から見ていても結構怖そうです。実際上に上って、デボンの野原や平原がずっと遠くまで見渡せる高さのところで風を頬に受けながら立つと、すごく怖いだろうなあ。しかもインストラクターがいざとなれば助けてくれるとはいえ、基本的には自分一人で何とか工夫してコースを回らなければいけません。めそめそしたり文句を言っても誰も助けてくれる人はいません。自分しか頼る人がいない。特に最近の子供ってこういう経験ってしないから、すごく良い体験だと思います。

最近の子供って、何でも安全第一の環境で育っているから、リスクをとる、リスクを分析する能力が身についていないんですって。でもリスクをとるというのは人間の本能でもあるので、そういう経験が全然ないと、電車の線路で遊ぶだとか、とんでもない危険なことに走ってしまったりするとか。だからチャーリーには特に良い経験になっただろうなあ。

でもチャーリーの友達の女の子たちは甘やかされた手のかかる子が多いので、あんな子達を連れてハイ・ロープに行くなんて、お母さん嫌だよ。ルイの友達ならまた連れて行ってあげるけどね。

8 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

すごーい。そんなものがあるのね。面白そうだけど、絶対無理だな。

それにしても、あっちこっち連れて行ってあげて、いろいろ考えながら経験を積ませてあげているお母さん、偉いと思うよ。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、無理?私はやってみたいなあと思った。ジェットコースターとか、そういうスピード系はだめなんだけど、高さは怖くないから、面白そう。

今日チャーリーに聞いたら、やっぱりすごく怖かったらしい。昨日が3度目だったクリスも初めてのときは泣きかけたといってました。

でも後でベッドに入っていろいろ考えて、もしもあの命綱がちゃんと作動してなかったら、とかいろいろ考えて怖くなりました。

本読みと山歩き さんのコメント...

なかなか、遊び道具としては面白そう。
冒険心のある男の子には人気がでそうですね。
日本ぢゃなかなかお目見えできないでしょうね。いろいろ規制でひっかりそう。
 今年、グリンデルワルトの新アトラクションに「First Flieger」なるものがお目見えしていました。
ゴンドラが通る谷や草原の上を、ブランコのイスみたいなのに座って、“飛ぶ”(ロープに沿って滑車がすべる)んです。
時速85km、800m!なんでそんなものに金払うんやー!
高所恐怖症の私には絶対乗れません。
 女性は肝が据わっているので、ルイちゃんもこれを機会になんでも来いになるかも。

Atsuko さんのコメント...

どうして山の好きな山歩きさんが、高所恐怖症なの????高いところが大好きだから山に登るのではないのですか?バイクを乗るのもスピードが好きだからでしょ?じゃあこの
First Fleigerというのお手の物ではありませんか?私もやってみたいなあ。
イギリスも安全の規制は異常に厳しいんですよ。だからこういうの、大丈夫だとは思うんだけど、いろいろ考え始めると(特に夜中に)怖くなってきます。何であんな危険なことさせたんだろうとか。

そうそう、ちょっと誤解がありそうなので登場人物(子供)を紹介しときます。名前がややこしいので性別をよく間違えられるのですが、上の子が11歳のルイでこれは男の子、下の子は9歳の女の子でチャーリーです。特にチャーリーは一般には男の子の名前なので、こちらでもよく間違えられます。

こんの さんのコメント...

コメント遅くなりました

あつこさん お子さんたちに良い体験をなされましたですねぇ
他人の助けなしでやらなければならないこともあるのだという貴重な体験で、きっとこころも大きく飛躍するような気がしますです

あつこさんは、やはり良いお母さんですねぇ

(共鳴の大きな拍手!!)

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、ただルイが行きたい行きたいと言うので連れて行ったんですが、遊園地なんかの受動的な乗り物と違って、体ももちろんながら、頭も使わなきゃいけないし、度胸とか勇気もいるし、教育的体験になったようですね。
こういうちょっと危険な(本当はこれは危険じゃないんだけど、度胸はいる)体験って子供には必要だなあって思いました。

うちの妹はそういう理屈と関係なく、ただこういう怖いものが好きなので、次に来たときは行きたがるだろうなあ。

本読みと山歩き さんのコメント...

ごめんなさい。お子さんの名前間違えて。

ちなみに、高所恐怖症なのは足元になにもないときです。
エレベター、鉄塔、観覧車、飛行機、足元にしっかりした土くれがないと不安で。

グリンデルワルトのアトラクションもいつか是非お試しを!

Atsuko さんのコメント...

山歩きさん、エレベーター、飛行機も怖いんですか?じゃあ現代生活、結構しんどいのでは?天保山の大観覧車もロンドンアイもだめですか?意外ですね。

子供の性別はみんな間違えるんです。ここのあくあさんもこんのさんも、はじめはごちゃごちゃになってました。だからお気遣いなく。