2010年5月6日木曜日

理想の人生

先日ちらりとテレビを見たら、科学を軽く楽しく噛み砕いたような番組をやっていました。それによると、ホルモンセラピーだかなんだか忘れましたが、論理的にはほぼ永遠に寿命を延ばすことは可能だということでした。あくまで理論の上ではですが。

それで会場のお客さんに、「永遠に生きたいと思う人は手を挙げてください」というと、誰もあげる人はいませんでした。「では質問を変えましょう。死にたい人は手を挙げてください。」というと、これも誰も上げませんでした。

話はブーンと飛びますが、最近読んでいたトワイライトの連作は、人間の女性と吸血鬼の男性の恋愛の話です。吸血鬼は、その本によると吸血鬼になった時点で年をとるのをやめ、永遠の命をえます。エドワードは17歳ですが、吸血鬼になって100年以上になります。それでその主人公のベラが、自分も吸血鬼になろうと決心します。

吸血鬼になるのはともかく、永遠の命をえるっていうのは、もしも目の前に選択肢を与えられたら、簡単に手を伸ばせるものではないですね。私なら、やっぱり永遠の命はほしくない。ということはいつかは死にたいということです。できれば100歳を超えてから、あっという間に何の前触れもなく痛みなく逝ければ特にいいんですが。

昔、自殺した沖正也と神田正輝の出ていた好きなテレビドラマ「俺たちは天使だ」の主題曲で、「運が悪けりゃ死ぬだけさ。」という部分があり、妙に印象に残っています。何か嫌な問題が起こったり、物事がこじれたり、窮地にいたったとき、「運が悪けりゃ・・・」とこの歌を思い出すと、なんだかちょっと気が楽になったりします。

英語ではよくLife is too shortといいますが、「人生短いんだから、楽しもう/充実させよう/つまらない心配事で無駄にするのやめよう。」という意味で使います。つまらないことでぐずぐず思い悩んでるときなど、ふとそう思いついて、元気になることもある。


昔村上春樹が「どんなに嫌なことがあっても、100年もたてば自分も周りの人も関係者もみんな死んでるかと思うと、ふと気分が楽になる。100年なんてそんな長い月日ではない。」といっていました。それもなんとなくわかる。


そんなことを思うと、人間の営みって、そのうち死ぬということで救われてる部分もあるみたいです。


私も時々(でもめったにないけど)、将来のこととか老後のことなど、漠然と心配や不安に思うときがありますが、もしも命が永遠に続くとしたら、すごくしんどいだろうとおもう。そうなると定年はなくなって、永遠に働き続けるのか。仕事が楽しい人ならいいけど、そうでない人は定年を楽しみにしてる人もいるはず。そんなに長く生きると、親戚や知人やら近所の人とか、しがらみやこじれた関係がますますこじれ続けたり、人間関係の困った問題も起こってくる。

そう思うと、平均よりは長い寿命を全うして、つまらない悩みや心配事で貴重な人生の時間を無駄にせず、100年弱の短いといえば短い人生を思い切って堪能して、ある日ぽっくりと行くのが最高のように思います。

6 件のコメント:

こんの さんのコメント...

>「人生短いんだから、楽しもう/充実させよう/つまらない心配事で無駄にするのやめよう。」
それって(ほんとだなぁ)と思いますです
もう70年も生きました
これからの人生は(もうけもの)の思いが強いです
だから、楽しんでいきたい

いいブログをありがとうございます

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、いえいえ、こちらこそコメントいただいてありがとうございます。つまらないことを悩むのをやめるというのは簡単ではありませんが、努力し続けたいですね。
毎日が新しい一日、毎日が自分の人生の最先端ということを忘れないで、できるだけいいことに心を向けたいものです。

あくあ さんのコメント...

Life is too short...
私もそう信じて生きてるけど、そうは言っても思うようにいかないこともあるよね。
まあでも悩むのも人生のスパイスですよ。きっと。

Atsuko さんのコメント...

あくあさんならつまらないことで悩んだりしないタイプだと思うけど。自分ではA型だといっていますが、問題が起こったらてきぱきと処理して、どうしようもないことは割り切ってあきらめるタイプでしょう。そういう人はいいですよ。

本読みと山歩き さんのコメント...

『俺達は天使だ!』なつかしい~!
「運が悪けりゃ死ぬだけさ」とうサビもよかったすが、出だしの「男♪だったら♪流れ弾の一つや二つ♪いつでも胸に刻んでる♪♪」なんてところも硬派でよかったな~。
自分にはない部分で憧れでしたね、かっこいいな~って。
 最近読んだ本に、エベレストを初登頂したかも知れないマロニーという登山家を山頂の近くで最後に目撃した人の言葉が載っていました。
「マロニーは今も、頂に向って歩き続けている。 いつも死は、その途上でその人に訪れるのです。 軽々しく人の人生をxxxxですが、その人が死んだとき、いったい何の途上であったのか、そのことこそが重要なのだと思います。」
 流れ弾を胸に、いったい私はどこに向って歩いているのだろう?
なんて、また夜も眠れない。

Atsuko さんのコメント...

山歩きさん、あのドラマ(刑事ものでしたよね)、覚えているだけでなくて歌まで知ってる人がいるとは!そうそう、思い出しました。

流れ弾を胸に刻む。うーん、なんとなく感じはわかりますね。そんな風なハードボイルドな選択を迫られること、人生に一度くらいはあるのかな。

私は、良くはわかりませんが、そんなものは刻まれてないみたいです、いまのところ。