2010年5月7日金曜日

昨日の選挙

昨日イギリスは総選挙でした。イギリスは2党政治で、保守党と労働党が政権を交代します。著名な総理大臣でいうと、サッチャーは保守党、ブレアは労働党です。ここ過去3期は労働党が政権を握っていたのですが、今回はこれが変わるだろうといわれていました。経済的な問題のほかに、この国では同じ政党が4回続けて選ばれることは過去100年近く起こってないんです。

2党政治とはいえ、第3番目の自民党という政党があります。これもなかなか大きい政党なんですが、今まで政権についたことはありません。

昨日の選挙結果は、保守党が勝ちました。でもこれがすんなりとは行かないんです。勝った勝ったものの、議席の半数に満たないので、もしも労働党と自民党が連立すれば、現在のブラウン首相は首相を続けます。保守党は最大政党ではありますが、もしも自民党と連立できなければ、今後なかなか法案を国会で通すのか難しくなります。

そういうわけで、どちらの政党も自民党と交渉をはじめています。だから選挙は終わったものの、まだ結果ははっきりとは出ていないという状態です。

私の住んでるこのトリッジという選挙区は、国内にある650の選挙区の中で一番最後に結果が出ました。というのは、田舎なので距離的に土地が広がっていて、昨日午後10時に投票が終わって、その投票箱を1箇所に集めるのに時間がかかり、今朝の10時まで開票しなかったからです。午前10時なんてほとんどの選挙区では発表が終わっていたのに。そのくらい田舎です。

イギリスでは選挙は木曜で、朝7時から夜10時までです。何でも営業時間の短いイギリスにしては、結構長いことやってます。それを大半の選挙区は10時を過ぎるとすぐに開票にかかります。それでテレビでは10時から一晩中中継をしています。

私はあまり興味がないとかいいながら、ちらりと見始め、結局1時過ぎまで見てました。イギリスって夜になると店も閉まるし、アメリカや日本と違って夜が早くて寂しいんです。でも選挙の日だけは特別に一晩中いろいろなものが(少なくともテレビや政治家)忙しく機能してます。宵っ張りの私は、とにかく何でも夜中に人が忙しくしてるのがすごく好きなんです。それで、政治とは関係なくわくわくしてみてました。国中が総出で夜中中何かをしてるって言うのは、ちょっと興奮しますね。

朝テレビをつけると同じアナウンサーがまだやっていました。

ところで昨日はとっても大きな問題が起こりました。いくつかの選挙区で投票できない人がたくさん出てきたんです。今回の選挙、特に投票率が大幅に増えたわけでもないのですが、投票所に長い列ができて、投票終了の10時になっても投票できなかった人がたくさんいたんです。それもひとつの投票所だけでなく、全国のいくつかの場所で。ニュースで見ると雨の中を100人以上の人が並んでます。まるで南アの初選挙の時のようです。

 そしてある投票所では、投票用紙が切れて、投票できなかった人が出ました。選挙人名簿を見れば、いったい何枚用意すればいいかわかるでしょうに。いくら前回よりも投票率が良かったとはいえ、せいぜい55パーセントとかですよ。それに、原則的にいえば100パーセントの人が投票にやってくると仮定して用意するべきじゃないでしょうか。

そしてある投票所では、選挙人名簿を前回の選挙からアップデートしていなくて、名簿に名前がなく投票できなかった人がいたとか。これは言語同断。

選挙の結果よりも、こういうのの方が深刻な問題だと思うんですが。

4 件のコメント:

こんの さんのコメント...

あつこさん 選挙の「外伝」いいですねぇ
民主主義の本家イギリスでも、そういう面白い?話があるのですねぇ
ニュースは、結果や今後の流れについて詳しく報道しますが...
投票の拙さについては、あつこさんのそれで知りました
「外伝」(裏話)はほんと(そういうこともある)とびっくりしました
イギリスの政治は、日本が模範として学んでるのですからねぇ
二大政党 どうなることやら...

あくあ さんのコメント...

保守党が勝ったのね。まあ連立の関係でもうしばらくごちゃごちゃするのかもしれないけど、私としてはもう一度イギリスに再生してほしいので、保守党に頑張ってほしいです。繁栄からいったん衰退して、再び蘇った国の見本ですから。

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、政治と民主主義に関しては、イギリスは日本のずっと先を行ってますね。これからどうなるのか。どうなっても、あまり変わりないと私は思ってるんですが。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、イギリスはこの1-2年の不景気が始まる前までは、欧州中で一番景気も良かったし、ブレア首相、ブラウン総裁の時はすごくうまくいってたんですよ。そのほかにもゲイの結婚だとか、狐狩りの違法化だとか、市民自由を守るいい法律がたくさん通って。でも湾岸戦争がいけなかった・・・。それがブレアの失脚につながった。不景気さえなければブラウン政権もそれほどは問題はなかったはずなんですけどね。

元英国銀行の総裁のキング氏は、誰が首相になったところで、今後5年間ははろくなことが起こらないだろう。だから今回の選挙で勝った党は、5年後の選挙ではまず間違いなく負けるだろうといってました。なかなか先を読んでますね。