今日は朝まだ暗い時間に、バリバリバリという音で目が覚めました。デイブが氷を割って車を出す音です。本格的に9時ごろ起きると、外は朝日がきらきらと美しく輝いています。雪は新雪は降ってませんが、まだ融けていません。子供たちは休校の二日目。まだ今年は一度も学校に行ってません。
まだまだ氷が張っていて怖かったのですが、冷蔵庫のものがミルクまでなくなったので、仕方なしに子供をつれて買い物へ。家の周りや村はまだまだ雪が美しく、こんなことしてないで雪の中を散歩したいという気持ちがもくもく。でも仕方ありません。大通りに出るとさすがに雪はなく、街中でもほとんど見ませんでした。スーパーは平日の午後というのに混んでます。そして結構品不足。特に売り切れてるのがパンと缶詰。そして塩。今日は雪がやんで午後は晴れ渡ってきたので、皆ぞろぞろと買出しに出てきたようです。塩が売り切れてるのは、氷を溶かすために家の前に撒くからです。
買い物を済ませて家に戻ると3時半でした。日が少し傾きかけていましたが、買い物を車の中におきっぱなしにして、早速帽子と手袋をして散歩に出ました。行き先は元旦の日に行った歩いていける海が遠くに見える散歩道。
あわてていったのでまたカメラを忘れました。あまりにも近いので財布も電話も何も持たずに出かける癖になっていて、時には鍵すらかけずに出かけるくらいなので、カメラをいつも忘れます。いつも良い景色なんですが、今日はちょうど海岸の隣の丘に夕日が沈むところで、特別にきれいでした。雪景色だし。あー、残念。
帰りも子供たちと一緒に雪を踏みしめながらのろのろと帰ってきたら、日が沈んで急にすごく冷え込んできました。
今日は雪は降らず、晴れていたのですが、そのせいで余計寒く雪が凍りに変わって、道は危険です。というわけで明日も休校です。私は今週は働いていないので良いんですが、働いてるお母さんは困るだろうなあ。来週も同じような予報なんですが、そうなると私も本格的に困る。2日間郵便が来ていないし、今日はごみ回収がこなかったし。北デボン総合病院では外来は閉鎖だそうです。うーん、来週もこれとなると、笑い事じゃすまないなあ。
川上弘美という作家の真鶴という小説を読みました。日本の知人が面白かったからよかったらと送ってくれた本で、作家の名前も知らなかったから先入観なしで読めました。
主人公は40代半ばの女性。10年ほど前に夫が3歳の娘と自分を残して蒸発します。その彼のメモ帳に残してあった真鶴という地名に引かれ、何度かそこを訪れる話です。
彼女は「見える」人で、よくまわりにいろんな男女の気配(霊って言ってしまっても良いかな)を感じます。真鶴ではある女性(の霊)がついてきます。その女性とどんどん深い仲になっていく。そしてその女性が主人公を蒸発しただんなのところに連れて行く。とういかそんなに簡単ではないのですが、とにかくその女性が媒体となって、いなくなっただんなに対する気持ちに折り合いがつくような経験をします。
主人公には夫の蒸発以来付き合っている男性がいます。でもその人は離れて行きます。それもこの真鶴でのことが原因と言えば原因。
でも私にとっては、話の本筋は彼女と16歳の娘との関係のように思えました。3歳の娘を残して蒸発されたので、彼女は母親と一緒に暮らすようになります。つまり祖母と母親と娘との女の3世代同居。
その赤ちゃんのころからの娘との関係、そして今の関係、その距離のあやふやさ。主人公の母親との関係。そういったものが、いなくなっただんなよりも、つかず離れずの愛人よりも、強烈にリアルに描かれていて、かなり胸を打たれます。
どうして子供など生んでしまうのだろう。令(夫)にむかう気持ちも、青磁(愛人)にむかう気持ちもくもりがないのに、百(娘)に向かう気持ちはくもりだらけだ。
「子供でない、よそのものは、かんたん。」
話の本筋は夫の蒸発なんですが、その夫自体が出てこないし、蒸発の手がかりもないので、その辺はあやふや。でもそれが効果的に働いて、逆に言葉少なく書かれている娘との関係が、しっかりと胸に迫ってきます。
真鶴でついてくる女性に主人公が、「令のこと何にも知らないくせに。」というと、「つまんない男よ。」という返事が返ってきます。彼のことだけでなく、きっとあてにならない愛人も含めて。幽霊の口から出るこの返事こそが、一番リアルな言葉のような気がしました。
なかなか良い小説でしたので、お勧め度は4つ星です。機会があればぜひどうぞ。
8 件のコメント:
ほぉ、学校まだ休みですか。うちの子が聞いたら羨ましがるでしょう。
イギリス、結構今回の雪というか寒波はすごそうですね。
でも、ノルウェーの話聞いたら、もう何もいえなくなりますよね~。
私は基本的に寒がりなので、北国には住めないかも?!
でも、欧州は関西に比べたら、やっぱり寒いですよね?(笑)
このところのローカルな雪予報が結構はずれているので、個人的にはちょっと安心しています・・・。雪は怖い怖い・・・。
ふぅさん、今週は仕事がないので良いんですが、来週からは困るなあと思ってます。スーパーでもパニックの買いだめが始まったとかで、ちょっと危機感がつのってきてますね。ノルウェーのマイナス25度なんて、想像できないですよね。わたしが彼女のお母さんだったら、そんな寒いところにいないで、冬は日本に帰ってきなさいって言いますよ。
寒さはいくら住んでもなれないどころか、年々つらさがまします。老後は温かいところにすみたいかも?
川上弘美は、日本では有名な、けっこう売れてる芥川賞作家です
うう そういうことは枝葉のことで、やはり「作品」がどうかということでしょうね
先入観なしで読む それでどう感じるか
あつこさんから4つ星をいただいたのですから(凄い)作品でしょうなぁ
イギリスの寒さが伝わってきます
病院外来閉鎖とは、患者には困りますねぇ
ゴミ収集車も来ない、でも夏とちがって腐敗がないだけ助かりますね
こんのさん、読んだあとでネットで調べたら、芥川賞をはじめ、いろいろ出てきました。でもおっしゃるとおり、知らないで先入観なしで読んだほうが良いですね。海外に住んでいる特権のひとつですね。
どの作品もこういうスタイルなのか、句点が多くて、妙なところがひらがなだったり、変に古語が使ってあったり、詩的というか、散文的な詩というか。そこも結構この作品の雰囲気にあっていて、好きでした。
それは大変そうですね。最近、極端に寒いところと寒くならないところに分かれている気がしています。寒波、それ以上に強くならないといいんですけどねぇ。
すみませんねぇ、黙らせちゃって、、、。基本的には、寒いところ嫌いじゃないので、とりあえず住んでるんですけど。はい。老後は、こんな寒いところ住みたくないです。
あくあさん、昨日と今日は雪は降ってないんだけど、寒いからぜんぜん融けません。雪は良いんだけど、何もかもが麻痺というのは困るなあ。
ひさん、やっぱりそうだよね。老後は温かいところに、とまでは行かなくても、外に出るのが命がけみたいなところにはすみたくないですね。
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