昨日はすごく久しぶりにテレビで映画を見ました。The Remains of the Daysという1993年の映画です。主演はアントニー・ホプキンスとエマ・トムソン。脇役で有名になる前のヒュー・グラントや元気なころのクリストファー・リーブスが出てました。イギリスの1940年代が舞台で、執事のホプキンスと女中頭のエマ・トムソンの、恋愛というにはとてもいえないような、イギリスイギリスした、静かな映画です。でもこれアカデミー賞、取ったかノミネートされたか、とにかく有名な映画です。
この映画の原作の作者はカズオ・イシグロといいます。日本でも翻訳されているのかなあ。彼は年は私より10歳くらい上。何でも生まれは長崎で、6歳からイギリスに住んでいて、たぶん日本語は出来ないんじゃないかなあ。この本The Remains of the Days(残りの日々)は彼の3作目の本です。
ロンドン大学にいたとき、文学の授業の課題が彼の2作目の本、An Artist of the Floating Worldで、そのときレクチャーに来てくれました。そのとき本にサインをしてもらってた人もたくさんいたのですが、それ以降こんなに立派な作家になるとわかっていれば、私ももらっておくんだった。
彼はイギリス人ですが、イギリスだけでなく英語圏の世界中ですごく高く評価されています。イギリスの、というよりは英語圏の世界で最も権威あるブッカー賞をこの本は受賞したし、ほかにも3回最終審査にノミネートされました。そして1995年には、1920年代にTimes 誌が創刊されて以来最も偉大な作家の100人に選ばれています。
私の読んだのはこのAn Artist of the Floating Worldと The Remains of the daysのほかに When we were OrphansとNever let me go の4冊。
An Artist..はまだ英語で読むのに慣れてない頃にはじめて読んだので、また読み返しました。これは舞台は戦後の長崎で、このartist of floatin worldというのは浮世絵師という意味です。イシグロ氏は子供のとき日本を離れて一度も帰っていないらしいんですが、それにしても英語で読んでると言うことを忘れるくらい、すごく舞台の日本に馴染んでました。
どれも読んだのはしばらく昔なので、それぞれの感想は書きませんが、彼の小説って、どこか(大体最後)大声で声を上げて泣き出したくなるような部分があるんです。それも安っぽいセンチメントや恋愛小説ではなく、切なく本当に胸がつまされると言うか、大声で泣く意外どうすることも出来ないような、諸行無常というか、人生の不条理さというか。ものの哀れと表現した評論家もいました。
昨日この映画見て、カズオイシグロがどんなにすごい作家であるか思い出しました。機会があれば読んでみてくださいね。きっと翻訳されてますよ。
彼のことを書いた同じブログではずかしながら、詩のブログ更新します。先日書いたセント・キャサリンズ・トーのことです。
http://fordfarmpoems.blogspot.com/
この映画の原作の作者はカズオ・イシグロといいます。日本でも翻訳されているのかなあ。彼は年は私より10歳くらい上。何でも生まれは長崎で、6歳からイギリスに住んでいて、たぶん日本語は出来ないんじゃないかなあ。この本The Remains of the Days(残りの日々)は彼の3作目の本です。
ロンドン大学にいたとき、文学の授業の課題が彼の2作目の本、An Artist of the Floating Worldで、そのときレクチャーに来てくれました。そのとき本にサインをしてもらってた人もたくさんいたのですが、それ以降こんなに立派な作家になるとわかっていれば、私ももらっておくんだった。
彼はイギリス人ですが、イギリスだけでなく英語圏の世界中ですごく高く評価されています。イギリスの、というよりは英語圏の世界で最も権威あるブッカー賞をこの本は受賞したし、ほかにも3回最終審査にノミネートされました。そして1995年には、1920年代にTimes 誌が創刊されて以来最も偉大な作家の100人に選ばれています。
私の読んだのはこのAn Artist of the Floating Worldと The Remains of the daysのほかに When we were OrphansとNever let me go の4冊。
An Artist..はまだ英語で読むのに慣れてない頃にはじめて読んだので、また読み返しました。これは舞台は戦後の長崎で、このartist of floatin worldというのは浮世絵師という意味です。イシグロ氏は子供のとき日本を離れて一度も帰っていないらしいんですが、それにしても英語で読んでると言うことを忘れるくらい、すごく舞台の日本に馴染んでました。
どれも読んだのはしばらく昔なので、それぞれの感想は書きませんが、彼の小説って、どこか(大体最後)大声で声を上げて泣き出したくなるような部分があるんです。それも安っぽいセンチメントや恋愛小説ではなく、切なく本当に胸がつまされると言うか、大声で泣く意外どうすることも出来ないような、諸行無常というか、人生の不条理さというか。ものの哀れと表現した評論家もいました。
昨日この映画見て、カズオイシグロがどんなにすごい作家であるか思い出しました。機会があれば読んでみてくださいね。きっと翻訳されてますよ。
彼のことを書いた同じブログではずかしながら、詩のブログ更新します。先日書いたセント・キャサリンズ・トーのことです。
http://fordfarmpoems.blogspot.com/
14 件のコメント:
ずっとこのイシグロさんのこと気になっていて、貴女に聞こうと思っていたのに、忙しさに紛れて、ずっかり忘れていました。
あのエマ・トンプソンの映画は随分昔に見て、当時はそれが原作が彼によって書かれていたことも全然知りませんでしたが、1年前の夏、日本でたまたま彼の日本語訳の文庫本を何冊か買って帰って読んで、不思議な気持ちになったことを覚えています。
タイトルが今すぐ思い出せないんですけど、人工移植の提供者となる為だけに生まれ育てられていく若者たちの話が中にあり、もちろん現実の話ではありませんが、う~んとびっくりしました。
読む本ごとに印象が全く違うんですよね。日本人なのに、現実的にはイギリス人として生きているこの作家。どんな人なんだろう???って、私にとっては相当なミステリーです。
セント・キャサリンズ・トー
昨年だったか、「千の風にのって」という歌曲風の歌が流行りました
鬼籍に入った魂のありようを歌ったなかなかいい歌でした
なぜか、その歌(詞)を思い浮かべました
その歌詞の散文に近い詩です
検索すれば、きっと読めると思いますが
Kazuo Ishiguro
面白そう 読んでみようかなぁ
「千の風になって」
上がただしい題名です
「のって」ではなく「なって」でした
(ごめんなさい)
ふぅさん、このブログを書いていて、なぜかあなたのことが頭に浮かびました。93年の映画なので一緒に見たわけでもないし、どうしてでしょうね。そのことについて話した記憶もないし、以心伝心かな。
それはNever Let Me Goです。私も読みました。不思議と言えば不思議なストーリーで、あれも最後、大声で泣きたくなりました。翻訳が文庫本になってるんですね。
確かにどの作品も、テーマも舞台もぜんぜん違うんですよね。このNever ...のほうはSFだし。The Remains...のほうは、これ以上イギリスらしくなることはないというくらいイギリスの真髄を描いてるし。
最近フィクションをぜんぜん読んでないんだけど、まだ読んでない彼の本、読みたくなりました。
こんのさん、この歌聴いたことあります。おととし、お正月日本に帰っていて、紅白歌合戦で聞きました。
ふぅさんいわく、カズオイシグロ、翻訳が文庫本で出てるそうですので、ぜひ読んでみてください。
ふーん、知りませんでした。いつか読んでみたいと思います。映画も観てみたいな。
あくあさん、映画のほうは結構簡単に手に入るんじゃないかなあ。英語はわたしが聞いても聞き取りにくいくらいのすごい上流イギリス英語でした。
そういえば昔のキーラ・ナイトリーも出てたような。イギリスの有名は俳優、総出演という感じです。
カズオ・イシグロ、知っています。「日の名残り」も話題になっていた当時、ペーパーバックを買って読みました。いきがって読んだけど、あまりよく理解できなくて・・・・。映画はアンソニー・ホプキンスが好きなので観ましたよ。
今、原書を読む気力がないので、翻訳されたものを読み返してみようかと思いました。
ふらっぺさん、へえ、日本でもこの映画話題になってたんだね。私もそのころはよく映画を見ていたのですが、この映画はおとといまで見たことがなかったんです。
でも原作読んだときは、主演が誰か知っていたから、アントニーホプキンスの顔が頭から離れませんでした。
私なんて、映画はものすごく前に見たのに、そんなことすっかり忘れていて、(先に書いたように)原作を昨年文庫本で読んで、最後の方になって、やっと映画のことを思い出しました(笑)。超イギリス的な内容でしたよね~。
カズオ・イシグロの本はかなりの数で日本語に翻訳されているみたいですよ。全部かどうかはわかりませんが、きっとこの映画が日本で話題になった頃から次々翻訳出版されたんじゃないでしょうか・・・。私が、去年、銀座の本屋で偶然見つけた時、そこには彼のコーナーが出来ていて、少なくとも数種類の文庫本が山積みにされてました。全部買ってきていたらよかったな~って、後で思ったんですけどね。日本から本を持って帰るのは重いから、つまみ食いのように、何人かの作家のものを少しずつ買います。
「ふ」でなく、「ふぅ」でした。焦って書いて、間違えました(笑)。それにしても、コメントの字数制限はどのくらいなのかしら?
改めて考えてみたら、イシグロさんの本、実際に買う前にも目についたことはありましたね。でも、本の種類に関しては結構保守的なので(?!)、本当に買ったのは初めて書店で目にしてから1~2年くらいかかったかも?
彼はもうイギリス人以上にイギリス的な人なのかしら・・・?ホント、ミステリー!!
ふぅさん、カズオイシグロは日本語も出来ないようだし、イギリス人だと思いますよ。日本語舞台になった小説も2作あるのだけど、このThe Remains of the Dayは、これ以上はイギリス的な世界はないというくらいイギリスですね。映画もそうですよね。
彼はたぶん6冊小説を発表していて、Never let me goは3年位前に発表されましたが、これが最新の作品です。そろそろ次のが出てくるころだなあ。
映画はあまり話題になってなかったと思う。
日本人(日本語が話せない方とは知らなかった)がブッカー賞を受賞したということで
話題になっていたと思います。
PCのすぐ横の本棚から取ってみると、表紙は映画のポートレートでした。
彼の作品はこの1冊しか読んでいないので、
他の作品も読んでみますね。
アンソニー・ホプキンス、好きなのですが
「羊たちの沈黙」以降、あの手の映画は
苦手なので観ていません。
ふらっぺさん、そうか、やっぱリイギリス映画は地味だからねえ。アントニーホプキンスは、羊たちみたいな映画よりも、こういう本格的な映画のほうが味が出てるね、やっぱり。
イシグロさんってたぶん自分が日本人だと言う意識はほとんどないと思うんだよね。それでも日本で話題になってたのか、ふうん。
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