高校3年のときのクラスは福井先生という世界史の先生でした。歳は40才くらいかなあ。ぜんぜん先生らしい高圧的なところのない人で、みんなに好かれていました。それでも担任としては進路指導などちゃんとしてくれたし、世界史の授業も面白かったです。生徒の前でぜんぜんえらそうにしないのだけど、やっぱり高校生の私たちとは歳も離れているし、青春ドラマの先生風でもなく、さらっとした自然体の人でした。
生徒の誰かが、「先生見合い結婚?恋愛結婚?」と聞くと、「見合いや。見合いで恋愛や」としゃあしゃあと答えていました。それから学校の創立60年だかなんかの式典のときに、先生が君が代を歌っていなかったので、誰かがそれとなく尋ねると、「いやー、僕は君が代は嫌いやねん。」とさらりとおっしゃっていたのを覚えています。君が代、国旗問題はその頃よく話題になっていたので、あのこだわりのなさそうな先生にそんな面があるとは以外でした。
先生が良いと、クラスが仲良くなって楽しくなる傾向があるように思います。この高3のときのクラスって47人いたのですが、すごく仲がよかった。
皆さんも覚えがあるかもしれませんが、中学高校のときって日直というものが回ってきました。具体的に何をしたか覚えていないんですが、結構めんどくさかった。花瓶の水を替えたり鍵をとりに行ったり、そういうことかな。その日直の仕事のひとつが日直日誌をつけることでした。内容は欠席者だとか遅刻者だとか、そういう事務的なことです。1日1ページの日誌にはほかにもいろいろ記入する項目があったと思うのですが、その最後に小さく「その他」のセクションがあって、コメントを記入できるようになっていました。普通は誰も何も書きません。
それがいつの頃からか、そのコメントにみんながいろいろなことを書き始めたのです。大体その日にあった面白いこと。それを福井先生は終業時間に読み上げてくれました。それでなんとなくみんな日直になってそこに書き込みできるのが楽しみになりました。
それがきっかけになったのかもしれませんが、高校3年の半ばからはクラス全員で交換日記まで始めました。何しろ47人もいるから、普通にしていたら2ヶ月に1回くらいしか回ってこないので、誰かが家にもって帰って、翌日は休憩時間やランチタイムに読んだり書いたりしていたと思います。お互いの日記に書き込みも多く、まるで今のブログみたい。
まああんな高校でも一応3年になると受験体制で、旅行や合宿なんかはなかったけど、たまにクラスでボーリングに行ったりしたのも覚えています。大きな声ではいえないが、飲みにも行きましたよ。
ああ、なんか書いてるうちに懐かしくなってきた。福井先生は同窓会出席とのことです。あの頃40としても65歳か。そりゃわたしが44だからそうでしょう。こちらが驚くよりも、先生の方があのぴちぴちした高校生がオッサンオバハンになって、驚くだろうなあ。
もう一人思い出に残る先生がいます。高校一年のときの地学の先生で、名前は忘れたんだけどサンプルマン(よく授業に岩のサンプルを持ってきた)というあだ名でした。とっても穏やかな人で良い先生だったんですが、ある日授業中に何かが起こって、めずらしくその先生がきつく誰かを叱ったことがありました。そういうことは中高生というのは慣れていますから、別に誰もなんとも思わなかったのですが、その日の終業時間(ホームルームといいましたね)に私たちのクラスにわざわざいらっしゃって、「大きな声でしかって申し訳ありませんでした」とクラス全体に頭を下げて謝られました。
たった15歳くらいの悪ふざけの盛んな高校生に対して、わざわざ出向いていって頭を下げるなんて、なんて立派な先生だろうとそのときも思いましたし、今わたしがそのくらいの歳になって、余計そう思います。でも私たち住高生も、進学率は下がったものの、きちんと礼儀をわかったまともな大人の高校生だったから、先生方もそんな風に扱ってくださったんだろうと思います。
こうして思うと、本当にわたしって幸せな高校生時代を送りました。一応進学校だけど、それほど受験受験と追い詰められることもなかったし、先生方は、全員ではないにしろ、面白い 良い先生が多かったし。そして友達もクラスもクラブもすごく仲がよくて楽しかったし、面白い人たちがたくさんいたし。
阪大に誰も行かなくなっても、国公立が一握りでも、一浪で私学が普通でも、そんなことこんなのびのびした高校生活には変えられない事です。
8 件のコメント:
福井先生 そしてサンプルマン先生
ブログを読んでると「いい雰囲気」が伝わってきますよぉ
いい思い出を持つことは、大きな財産です
それが逆のことだったら、人生つまらない
現在が幸せなのは大切ですが、同じくらいに過去の幸せも人生を豊にしてくれる
うん、いい思い出をたくさん持ちたいですねぇ
こんのさん、よかった、母校の雰囲気が伝わって。
もちろん楽しくなかったことも過去にたくさんあるし、中学はひどかったんですが、やっぱり覚えているのは楽しいことですから、人間ってそんな風にできてるんですね。
いろんな人からコメントで、よくそんなに覚えてるなあと感心されました。わたしって昔のことをよく覚えるような脳みそなのかなあ。それとも楽しかったから覚えているのかな。
楽しいことはよく覚えており、逆ことは忘れるようにできてる
そうでなければ、人生悲惨です
イヤなことが忘れられるから助かる
楽しい思い出を思い出せるはいいこと
繰り返し、楽しい気分になれる
神様はいいようにつくってくれましたですねぇ
あつこさんが、楽しい記憶をたくさんお持ちなのは、とてもいいこと!
幸せな人生なのですよぉ
こんのさん、でもわたしって結構つらい子供時代を送ったのですよ。それにもうこの歳ですから、大人になってからつらい思いをしたこともたくさんありますよ。
でも。そんなことはぜんぜん気にしないですね。楽しい思い出はどんどん人と分かち合って、思い出すたびに良い気持ちになりたいし、嫌なことは口にしなければ徐々に記憶は弱まっていきます。
今の生活も良いことよくないことありますが、できるだけ楽しいことばかりを見て、くさい物は蓋的に、楽しくないことからは目をそらしてやっていきたいです。
ほんとによく覚えてますね。私は別に子ども時代が楽しくなかったわけではないんだけれど、楽しい、楽しくないにかかわらず、昔のことはどんどん忘れていくタイプのようです。友達との旅行とかもすっかり忘れてたりして、失礼しちゃうことがあります。新しいことを次々と覚えるから古いことが仕方なく出て行くんだと思ってるんだけど。
田中先生、かすかに覚えてますよ。武藤先生とか、そのなんとか先生ってのはまったく記憶にございませんなあ・・・。
武藤先生覚えてない?じゃああくあさんのゼミの山口先生は?
わたしって昔のことよく覚えてるなあと思うことがよくあったのですが、ここ数日のブログコメントでみんなに言われます。記憶っていろんなタイプが合って、昔のことをいつまでも覚えてるタイプとか、あるのかな。一番昔の記憶は2歳くらいというと、驚かれます。
チャーリーも3歳のときにおもちゃ屋で何を買ったとか覚えていて、これはすごい驚く。
でもわたしは日常的には時々記憶が抜けてミスをします。医者の予約を忘れていたりとか。特に最近は。だから何でもカレンダーに書き込まないと不安になります。時々歳かなあと思うこともある。
最近のことを忘れて昔のことを思い出すのは年かもよ(笑)
山口先生・・・・覚えてません。マル経のゼミを取っていて、その先生の教えを受けて、マルクスは間違っていると思って、近代経済学に変えたことはことはよく覚えてますが・・・。
やだなあ、いつもいつもむかしのことを思い出してるわけじゃあないですよ。でも本当に、昔のことはよく覚えてるんですけど、子供が生まれてから特に忘れっぽくなりましたね。
でもわたしなんかよりも、デイブのほうがすごく物忘れがひどくって、お酒の飲みすぎかなあと思うんですが。それをいうとあくあさんも気になる可も知れませんが、イギリス人の飲む量って異常だから。
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