2014年5月23日金曜日

UKIPという政党

昨日イギリスは選挙でした。総選挙ではなく、地方選挙と、ヨーロッパ議会の議員の選挙でした。

イギリスの国会はほぼ2党システムで、左よりの労働党と右よりの保守党が交代で政権をとるような形で来ています。そこに自由民主党という中庸な第3の政党があり、現在のイギリスの内閣は保守党と自民党の連合内閣です。

そこに、ここ最近勢力を増しているのがUKIPと略される、UK Indepent Party. (英国独立党)。これは、イギリスはEUとヨーロピアン議会の支配を逃れて、独立しようという党です。まあ表向きはそうなんだけど、具体的な公約は、イギリス国内で増えている元東欧からの移民を減らすというもので、人種差別主義者の党だと、多くの人は懐疑的に思っています。

けれども、実際東欧からの移民のせいで、イギリス人が職にあぶれてると思っている人は多いです。そこまで具体的に思わないまでも、漠然と外国人が増えることを快く思わない人は多いですから、「人種差別の党、結構じゃないの。私は大歓迎。」と言う人も多いかと思います。こう言っちゃなんですが、大抵は、政治のことも国際情勢や経済のこともよく知らないのに、パブなどで大きい声で政治の話や政治家の愚痴を言うのが好きな人たち。(実際には東欧からの移民は教育レベルの高い人や熟練技術のある人が多く、エンジニアや技術者、医者や看護婦や歯医者など、東欧人がいないとイギリスの医療サービスは機能しないとまで言われてます。)

UKIPはまだまだ国会に議員を送るほどではないんだけど、地方選挙やヨーロピアン選挙では、大きい党よりも多く票を集めるほどです。

昨日の選挙も、ニュースを見ないので詳しくは知りませんが、特に私の住むイングランド南西部では、すごい票を集めたようです。

逆に、移民の多いロンドンではUKIPは票を集めなかったとか。「ロンドン人は文化的で教養があり、若いからだ。」との声がありました。

若いといえば、ルイは15歳、チャーリーは13歳ですが、学校でも仲間達の間で、選挙についていろいろ話が出てるみたいです。みんなすごくUKIPを嫌っているとか。ルイの友達は、FBで、何故UKIPに投票するべきでないか、延々と語っていました。

我が家は私は選挙権がないので、デイブだけ投票に行きましたが、なんとなくUKIPに投票してそうで、ルイは「親父はUKIPに入れたかもしれないなあ。。。」と絶望してました。

外人の身としては、UKIPみたいな政党が力を持つと、やりにくいです。今のところは地方選挙とヨーロピアン選挙だけだけど、国会議員が増えてくるようになったりしたら、もう日本に帰ってやろうかしらと思ったりしてました。

でもイギリスの投票権は18歳からです。ルイやチャーリーの学校の風潮が若い人一般の風潮としたら、まだまだ希望はありますね。

確かにUKIP、「外人がどんどん増えて、昔の古きよきイギリスが段々だめになる。外国人なんてわけ分からんし、怪しいし不気味だ。」と考えそうな、頭の固い年寄りが多く投票してるのかもしれません。ここイングランド南西部も老人多そうだし。

そう思うと、エイブラハムが言うように、頭の固い古い世代がどんどん順番に死んでいくのはいいことかもしれません。

写真は庭の、Bleeding Heartという花です。名前がいいですね。

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2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

その党に投票している人達の割合とか見てみたいね。ほんとに年寄りが多いのかな?

日本も経済が成り立たなくなるから、どんどん移民を受け入れたらいいと思うんだけど、そしたらやはり安全性とか清潔感が変わってきちゃうのかな・・とは思っちゃう面もあるね。でもシンガポールみたいにその点成功している国もあるから、やりようだと思うけど。

昨日、外国人受け入れ禁止を規則にしていた調理師を輩出する料理学校が、行政の指導にずっと従わず、受け入れを拒否し続けていたところ、国まで出てきて大ごとになったので、受け入れることにしたってニュースでやってました。

Atsuko さんのコメント...

実際に投票した人の割合は知るべくもないけど、アンケートの結果などは出てるかもね。年寄りが多いかは分からないけど、若い人は少ないと思うよ。イギリスでは選挙できる歳を16歳に下げるという話が時々出るけど、左よりの政権にならない限り、ありえないだろうね。

その料理学校ひどいけど、そういうことが日本ではまかり通るんだね。イギリスでは、そういうことは厳しいよ。人種に限らず、あらゆることに対する差別は。まあ日本とイギリスでは、外国人の数も、外国人が受け入れられるようになってきた年数も短いし、何事も時間がかかるんだろうね。