2011年11月17日木曜日

日本語のGCSE

御存知のようにうちの子供たちは日本語があまりできません。赤ちゃんの頃に、病気させず怪我させず育てるだけで精一杯で、とてもバイリンガル教育どころではなかったんです。それでそのままルイが小学校3年生くらいまで来ましたが、ある日ルイが「僕一体何歳になったら日本語はなせるようになるの。」といったので反省し、それから1年半ほど毎日教科書を使って勉強しました。自分はハーフなので大人になったら勝手に話せるようになると思っていたみたいです。

その後日本に3夏続けて行ったので、家庭内のちょっとした会話くらいはできるようになりました。たぶん日本の学校に2ヶ月くらい放り込んだら普通に話せるようになるだろうなというくらいまでは上達しました。

それで何がきっかけだったか思い出せないのですが、先日ふと、ルイとチャーリーに日本語のGCSEを受けさせようと思い立ちました。

GCSEと言うのは昔はOレベルと言われてたのですが、中学校が終わる11年生のときに(16歳)受ける資格試験です。日本の場合は中学や高校を卒業すると、卒業証書がもらえて、それが学歴となるわけですが、イギリスではこの試験に通ることが卒業証書のようなものです。科目別に試験を受けて、英語、数学、科学は必修で、その他の科目もあわせて9つくらい受けます。

そのうちのひとつに日本語と言うものがあるんです。もちろん普通の学校では教えていないし、ルイの学校も教えてないのですが、基本的には学校でならっていなくても試験だけを受けることができます。(それが学校で受けれるか、ロンドンかどこかに行かないといけないのか、今問い合わせ中。)

内容と言えば、言葉のレベル的には割合簡単です。たぶんルイとチャーリーは今のレベルを少しがんばってブラシアップすれば、スピーキングとヒヤリングのほうは大丈夫だと思います。

でもそれだけじゃなくて、ライティングとリーディングの試験もあるんです。ライティングのほうは原稿用紙1枚分くらいの作文をしないといけないんじゃなかったかな。もちろん漢字も、たぶん300個くらいでいいと思うんだけど、覚えなければいけません。

うちの子供たちはぜんぜん読み書きができないんですよ。日本語って外国語として習うと、会話は割りと簡単なんですが、読み書きが難しい。まあ日本人でも高校生でも毎週漢字テストがあるくらいだから、やっぱり難しいんですね。(だってイギリスの高校生がスペリングテストなんてありえないから。)私が子供達に日本語を教えたのは、日本に行ったときのためもあるし、将来もしも日本語を勉強しようとか日本に住もうとか思ったときのために、基本だけでもと思ってはじめたのでした。

GCSEを取れば履歴書にも書けるっていうのも大きいんだけど、ルイは学校のフランス語があまり好きではないので、日本語GCSEを取ればフランス語のGCSEをしなくてもいいという魂胆もあるようです(外国語は必修ではないものの、何かひとつ外国語のGCSEがないと受け入れてくれない大学もあるとか)。中学からフランス語を始めたんだけど、日本語のほうが断然できるそうです。(といってもクラスでは上のほうなので、 週に3回フランス語の授業受けるよりも、家で大阪弁混合でお母さんと会話してるほうが上達するんですね、やっぱり。)

私としては実際に試験を受けることができる手はずを整えてから読み書きを教えるつもりで、来年から始めようと思っていたんですが、特にルイが無茶苦茶乗り気で、昨日と今日と忙しいのに無理やり教えさせられました。

そして驚いたことにはIpodで日本語勉強の無料アプがあるらしく、自分でダウンロードしてソファーに寝そべりながら勉強していました。

どうしてこんなにルイが勉強熱心かというと・・・・

ルイは実は日本のナルトとかの漫画が読みたくて仕方がないんです。日本の若者文化っていうのは実は今ルイくらいの年の子供達の間で、すごくクールなことなのです。漫画とかアニメとか任天堂のゲームとか、それから忍者がなぜか無茶苦茶人気があります。

それでナルトの漫画を学校に持っていって、友達の前で読みたいらしい。ルイちゃんって結構じつは、かっこつけやったんか。

まあ人間の勉強の意欲って、実は結構しょうもないというか、身近なありふれたところから来ることが多いですからね。私も洋楽が好きでベイシティーローラーズが好きで(恥ずかし!)、そのせいで一生懸命英語の勉強したんだから。別に海外留学だとか、国立外国語大学を目指して身を入れていたわけでは全然なかったのでした。

そういえばノルウェーに住む友人のハーフの息子さんもマンガが好きで、がんばって日本語を勉強していたそうです。今は日本に留学していますよ。さぞやいろんな漫画を入手できて、喜んでいることでしょう。

ルイちゃんもGCSE受かったら、いくらでも日本のマンガ買ってあげるからね。

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4 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

なるほど、そういう理由なのか。でも英語圏の人は外国語や外国文化を知っとくのはとてもいいよね。英語だけでも済んじゃうからとかく偏りがちなので。しかもせっかくハーフなんだからそれを利用しない手はないし。そして試験があるとやはり目安になるからいいですね。日本に来たら日本語検定ってのもありますよ。外人がよく受けてます。

Atsuko さんのコメント...

日本語が盛んになったとはいえ、去年の日本語GCSEの受験者は1300人くらいだったようです。全英ということを考えるとすごく少ないよね。ということは日本語できると有利だと思うんだけど。
日本語検定ってあるのか。ちょっと調べてみようかな。

本読みと山歩き さんのコメント...

お母さんが日本語を話せると、お子さんは有利ですね~。
でも、世間でいう“標準語”を話せないあつこさんがどうやって教えるのか が課題です!!??
 尚、私はベルギーへ出向していましたが英語は話せないので、フランス語圏にいたからな~とうそぶいています。
たまにフランス語が話せるやつがいるので困りますが…。

Atsuko さんのコメント...

山歩きさん、そうなんですよ、家庭では大阪弁なので、しばらく標準語ではなさなあかんかなあと思ってます。

ところで私が標準語が話せないというのは都市伝説ですよ。私はロンドンでとある都銀に勤めていたときに、周りの人があまりにも大阪弁が理解できないので、あきらめて周りの水準に合わせて、標準語で話してあげていました。

山歩きさんこそ、標準語、三河弁、どうですか。これに英語と中国語とフランス語を足すと、すごい語学能力ですね。