2013年10月5日土曜日

Your Survival Instinct is Killing You 読書感想文

上記のタイトルの本を読みました。アメリカのお医者さんで、ヒプノセラピーもやっている先生です。

本の内容は、かいつまんで書くと以下の通り。

人間には大脳と小脳があり、小脳は生存を脅かされたときなどの本能的な行動をつかさどります。これは原始時代や太古の時代は非常に役に立ったのだけど、現代では文字通り生命の危機にさらされるという場面はほとんどないので、あまり役には立ちません。

それでも、たとえばダイエット中で空腹の時とか、会社で嫌な立場に立たされるなどの状況では、この太古の脳が生存本能を発揮して、「生命の危機」のシグナルが出て、理性的な行動が取れなくなってしまいます。この生命の危機シグナルは明らかに過剰反応なのに、このためにダイエットが失敗したり、登校拒否や出社拒否になったり という状況に繋がるという話です。

まあまあこのセオリーはおもしろかったです。

そのなかで一つすごく興味深い話がありました。

ある実験で、二つのグループを作り、一つには2分ほどで自分で出来るセルフ・ヒプノセラピー(催眠術)の方法を教えました。このグループは実験の期間中、一日数回このテクニックを使わなければいけません。内容は詳しく書いてありませんでしたが、たぶん「私はリラックスしている。気持ちがゆったりしている。」などの暗示をかけるんだと思います。

もう一つのグループは何もしません。

そしてそのどちらのグループにも、皮膚に微量の破傷風の菌を打ちます。 数週間後にどういう反応が出るかという実験です。

予想通り、ヒプノグループのほうは何も起こりませんでしたが、ヒプノをしなかったほうのグループは全員皮膚に炎症を起こしました。

まあここまではそれほどものめずらしくありません。面白いのはこの先です。

ヒプノグループのほうは、そのテクニックについてどう思ったか、効果があったと思うか聞かれました。するとみんな全然何の効果も感じなかったそうです。別に特にリラックスしたともストレスが減ったとも感じなかったとか。

でも体はちゃんと反応してたんですね。破傷風菌に対してしっかり抗体を作って、身体のバランスを保持してました。頭では別にリラックスしたと感じなくても、抵抗力はちゃんと上がっていたということです。

ということは、ヨガやメディテーションやリラクゼーションをして、その時は気持ちいいけど30分もしたらもう全然効果も無くなって、元通りイライラしたりストレス感じたりすると思っても、やっぱりやっただけの効果はあるということです。

私は特に最近、イライラ・・・というのではないんだけど、とにかく忙しくて全然睡眠時間もちゃんと取れなくて、でもまあ何とか普通に生活できてるという状態です。でもこれ、このまま続けてるとやばいんだろうなあ。忙しいのは仕方ないとしても、定期的にヨガしたりリラクゼーションの時間をとって、アニメや野球を見て頭を空っぽにする時間もとって、息抜きしながらやらないと。

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2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

ほほぅ、ヒプノ関係ですね。私も脳のこといろいろ勉強してますよ。小脳というと大きいけど、海馬とか扁桃体あたりがいろいろと影響して余計な感情的な反応をするみたいですね。それをコントロールするのにいいのがヒプノです。ヒプノの暗示の効果は潜在意識に効くので、顕在意識では特に感じなかったりするんでしょうね。

Atsuko さんのコメント...

そうそう、amygladaは日本語では扁桃体だったかな。それはよく話に出てきていた。海馬はHyppocampus?それは出てこなかったけど、Lymbic systemとひとまとめにして書いてありました。

べつにヒプノの本を探していたわけじゃないんだけど、たまたま読んだ本がそうでした。心理学の医学的データーがたくさん出てたので、おもしろかったよ。