2019年9月24日火曜日

イギリスの政治の天地がひっくり返った日

今日はまたイギリスの政治は、天地がひっくり返るような一日でした。

首相ジョンソンが、10月末のブレクジットの期限に先立って(野党からの詰問を避けるために)国会を5週間閉鎖したことに対し、最高裁判所がこれは違法であるとの判決を下しました。それを受け、先週から閉鎖になった国会は明日からまた開かれ、ジョンソンに辞任を迫る声が高まっています。

今までここに何度か最近のブレクジットの顛末を書いたのですが、長くややこしくなったので、ここでもう一度、無茶苦茶端折って書いてみます。

1. 今年の春、EU離脱の条約を国会で可決することが出来なかったので、メイ首相辞任。

2. 7月に、保守党党員間の投票で、「条約あろうがなかろうがブレクジット」と宣言したジョンソンが首相に。国会は9月まで夏休み。

3. 8月の国会の夏休み期間に、ジョンソンが「9月半ばから、諸事情により国会を5週間閉鎖」と発表。野党国会議員激怒。

4. 9月の第一週に国会召集。ジョンソンの「崖っぷちブレクジット」に反対する21人の保守レベル(Rebel)党議員と野党各党の結束により、大急ぎで「崖っぷちブレクジット禁止法」を立法化。9月16日より国会は閉鎖。

5. この間に、ジョンソンの国会閉鎖の合憲性をめぐっての裁判が最高裁に到達。

6. 今日最高裁で、これは違憲との判決。明日からまた国会召集。

以上です。詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。

イギリスの政治がえらいことになってる話

  イギリスの政治がさらにえらいことになってる件について

  なんとか崖っぷちブレクジット阻止なるか?

 ジョンソン首相がいろいろ追い詰められてる件

 


今日の判決は、今後のイギリスの歴史に何百年も残るような重要な判決だったそうです。(温暖化で文明が崩壊していなければの話ですが)ジョンソンの名前も、世代を超えて語り継がれることになるでしょうね~。

が、今日の判決は、イギリスの三権分立を改めてはっきりさせた重要な判決ではあるものの、ブレクジット自体に関しては、ほとんど影響がありません。

今後の焦点は
1. 10月末日までにブレクジットの条件を合意できるか。(おそらく無理との見方が95%)

2. できなかった場合、ジョンソンは先日立法化した法律に従って、EUにデッドラインの延長を申し込むか。(ジョンソンは、そんなことするなら死ぬほうがましと公言。)

3. 総選挙はいつか。(年内であることは必至)そしてその結果。


この3点の答えが明らかになったところで、まだまだブジクジット自体は進展しない。。。。ってところが驚くというか、ばかばかしいというかです。総選挙で保守党が負ければ、かなり動きは変わるはずなんですけど、驚いたことに(というか信じられないというか、イギリス人はあほかというか)、次の選挙も保守党優勢との声が強いです。

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