2012年3月4日日曜日

アンデスの飛行機事故2

昨日の続きです。ちょっと今日は疲れたので、簡単に。

遭難した飛行機の捜索は打ち切られたので、助かるためには自分達で山を下りるしかありません。でも事故の時点で飛行機はすでに方向を見失っていて、被害者達は自分達の地点すら、どの国にいるのかすらわかりませんでした。

それで3人がまず調査隊として出発しました。何の経験も準備もないままに雪山を登ります。けれども思うように前進することができず、もうその日のうちには引き返すこともできない状況になり、3人は日がくれたその場で野宿しました。

外気はマイナス30度です。凍死寸前のところで朝日が昇りました。

「もう死ぬだろうと思っていたところで、ガーンと突然太陽が顔を打った。神様が新しい一日というプレゼントをくれたのだと思った。」

そして3人はやっとのことで仲間のところに戻りますが、一人は雪山の光のせいで 失明、そして3人ともひどく健康を損ねました。特に一人はひどく精神的に衰弱したようなのですが、この辺は詳しく説明がありませんでした。

その時の一人が、飛行機に戻りついたときの気持ちを語っていました。

「ああ、あの素晴らしい飛行機。仲間のいる安全な飛行機。本当に戻れたときは幸せだった。でも一瞬後に気がついた。僕は同じ地獄に舞い戻っただけなのだ。それでもとにかく本当に嬉しかった。」

そして17日目にいよいよ最悪のことが起こりました。夜中になだれがおきたのです。飛行機の中にも雪がなだれこみ、飛行機自体が雪の下敷きになりました。

飛行機の中で寝ていた若者達は生き埋めになり死を目前としました。面白いことに3-4人がほぼ似たような臨死体験を語っていました。

「ああもう死ぬなあと思っていたら、すごく平和な素晴らしい気持ちがやってきた。自分の今までの人生のエッセンスのすべてが見えた。そして肉体を離れていくのがわかった。 」

「もう死ぬのだなあ。でもこの一瞬も経験する価値があるに違いないと思って、自らをその経験にゆだねた。するとなんともいえない幸せな気持ちが訪れ、目の前に1本の美しい光が現れた。」

「自分が体から抜け出して、空から見ているのがわかった。雪にうずもれた飛行機と、その中の自分の体が見えた。」

「遠くから声が聞こえてきた。上から見ていると、雪の中から手が伸びてきた。」

などです。でも雪にうずもれなかった数人が必死で生き埋めになった人たちを掻き出しました。

「すると友達の声が聞こえた。雪が顔からのけられ、息ができた。自分がするっと体に戻っていったのがわかった。」

このなだれでさらに8人が死にました。

また続きは明日。
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2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

この話と、おそらく映画で見た「告白」の殺人シーンと、それと、この前ニュースで見た、毛が抜ける薬を飲んだ羊の毛をセーターを脱がすみたいにしてはぎ取るシーンとが絡まったようで、今朝、すごい夢を見ました。人間の皮をくるっとはいでいる人がいて、その辺りに血と人肉が飛び散っていて、それを片付けなきゃいけないって思ってる夢。目が覚めて、夢だとわかってるんだけど、うとうとするとまた続きを見ちゃうんですよ。困りましたね。

話がそれましたが、その臨死体験の話は映画には出てませんでした。すごいですね。

Atsuko さんのコメント...

うわあ、それはすごい悪夢。怖い映画はそれが嫌ですねえ。

この臨死体験の話面白いでしょ。これが個人的にはいちばん興味を引きました。