今日は夏休み最後の日だというのに、つまらない一日でした。曇り空でしたが、ボディーボードをしに海に行くつもりでしたが、午後から大雨が振り出し、それどころではありませんでした。それで午後はゲームをしてすごしたりと、静かな日となりました。
日本で人にもらった「空に舞い上がるビニールシート」という本を読みました。作者は森絵都。この本は短編集なのですが、タイトルになった作品は直木賞をとったそうなので、ご存知の方も多いかもしれません。
この本の中には6つ作品があります。初めの3つの作品「器を探して」、「犬の散歩」「守護神」は、特にこれといって心を打つところも、面白いと思うところもありませんでした。犬の話は、普通の主婦が捨て犬のボランティアのために、ホステスの仕事をするという設定なのですが、主題は仕事のことではなく、捨て犬を救うことです。それでちょっと驚きました。日本の普通のだんなさんって、奥さんがホステスの仕事とかするの、ぜんぜん抵抗ないのかしら?一応、お舅さん、姑さんには秘密にしていたようなので、まったくおおっぴらにできる仕事でもないのでしょうか?
「守護神」は大学の二部の学生の話です。私も大学のときのサークルに二部の人もいたし、身近なようで、ちょっとわからない世界で、その点の興味はありました。国文科が舞台なんですが、そこで出てくる徒然草とか、伊勢物語の分析も面白かったです。でもただでレポートの代筆をしてくれるん守護神という人が出てくるのですが、ちょっとそれが現実味がなかった。
ここまで飛行機で読んで、いまひとつだなあと思いながら惰性で読み続けたのですが、その後の二つの「鐘の音」と「ジェネレーションX」」がとてもよかった。
「鐘の音」は仏像の修復士になるために修行している人の話です。もともとは仏像士になるために美大に行くのですが、納得のいく仏像が彫れず、修復しになるために弟子入りします。それで厳しく乱暴な師匠と、兄弟子と一緒に、あるお寺に寝泊りしてある仏さんを修復するのですが、この仏像に惚れてしまいます。そして、自分ができる限りの力で、美しい元の姿に修復しますと誓います。そしてこれからは世俗を捨てて、妊娠させた女とも別れて、生涯を仏像に費やすと決心します。ところがつまらない事故で直したばかりの仏像の指を負ってしまい、トラブルを避けるために兄弟子の「プラモデル用の接着剤やったら持ってるで。」という申し出を受け入れてしまう、という話です。
彼が仏像に取り付かれていく様子が納得でき、特に生々しい夢を見るあたりは、そういう話ほかでも読んだことがあるので、良くわかりました。最後にどんでん返しがあるんですが、その辺もうまくまとまってました。
「ジェネレーションX] はある会社員が仕事で別の会社の若い社員と宇都宮まで運転する話です。その間その若い写真は携帯で仲間と連絡を取り合います。それを苦々しい思いで聴いていた主人公も、だんだんその会話に聞き耳を立て始める。はじめはただの同窓会の相談かと思っていたら、高校の野球部で、10年後に野球をしようという約束を実現させるために、彼が奔走しているという話です。
これは私が同窓会をいくつか立て続けでやったきたところだったので、特に共感しました。
最後の「風に舞い上がるビニールシート」は映画化されるそうです。国連の難民救助の部門で働くアメリカ人の上司と結婚した日本女性の話。結婚後すぐに彼は現場に行き、結婚生活は年に一度休暇で東京に帰ってくるだけになります。結局離婚になり、離婚後に彼はアフガンで殉死という話です。
これは私は、あんまり共感しなかった。彼がなぜ難民救助にそんなに情熱を傾けるかだとか、それを知りながらどうして結婚しようと思ったのか、ベッドの相性が良いだけで、将来のことをぜんぜん相談せず結婚なんてするものなのか。その辺がうまく描けていなくて、あまり説得力がなかった。
でも思うんですが、この話も割りと突拍子無い設定なんですが、こういうのに限って、結構実話に基づいてるんじゃないかなあ。小説で読むと、AからBにいたるまでの説明が足りないと読者として納得できないけれど、実生活ではそういう突拍子のないことって、割と起こるし、本人もわけがわからず何かに情熱を傾けるとか、よく先のこと考えず結婚するって言うことは、十分ありえる。
でもそれが小説なら、やっぱり読者としては、ちょっと物足りないなあと思いました。結構短いんですけど、映画になったらどうなるのかなあ。
写真は今日撮った人参です。
10 件のコメント:
小説にもいろいろありますよね
読まれたそれ、詩ににてるのかなぁ...そんな感じをもちました(本は読んでいないです)
トップの写真を見て、思わずにんまり
うう、凄いニンジン どうしてこうなったのかなぁといろいろ考えました。が、分かりません
イギリスの秋は、どんなのかなぁ... 紅葉は鮮やかに色づきますか?
雪はどのくらい積もりますか?
これからが楽しみです
「風に舞い上がるビニールシート」って、既にテレビドラマになっているんですよ。
実は、偶然ですが(何回で完結するものなのか知らないんですけど)そのドラマを録画したものを全然知らずに、日本へ行く前に、こちらで知り合いに借りて見ていたんです。
その後、日本の書店で本もちらっと手に取ってみたけれど、興味湧かず買いませんでした。
テレビドラマの中でその主人公の相手になるアメリカ人俳優(?)が、そのDVDを貸してくれた知り合いの友達かなんかだったようで、持っておられたんですけど、正直言って、あまりおもしろくなかった。
貴女も書いているように、その難民救済というテーマは高尚なようで、この主人公カップルが仲良くなっちゃう辺りが、全然解せなくて、実はまだ第2話以降は見ていないんです(笑)。言えば、続きをきっと貸してくれると思うんですけど・・・。
本だったら、またドラマとは違うんだろうけどねぇ。
それを更に映画化する訳でしょうか???
こんのさん、こんな人参がたくさんあるんですよ。地面が堅いと、まっすぐに育たないで、二股になったり、こんな風に絡んだりするんです。洗うのがちょっと面倒だけど、食べるのにはぜんぜん問題ありません。でもこんなの店では売れないから、おそらくこんな人参はたくさん捨てられているんですよ。
イギリスの秋は良いことはぜんぜんないですよ。今日も大雨で川のように水が道に流れていたし、今は強風で、ごうごういっています。そして夜はだんだん早くなるし。ほんと良いことないです。明日は新学期だし。
ふさん、間違えてました。映画化かと思ったら、テレビドラマ化だった。
本は結構短いんです。75ページくらい。だからもしかしたらテレビのほうが、詳細が詳しく描かれているのかもしれません。なんとなくテレビドラマになるようなテーマではないと思うんですけどね。あの難民救済事業とか、国連で働くこととか、帰国子女とか、国際結婚とか、普通の視聴者にアピールするのかなあ。
片平なぎさって、なんの役だったの?彼女もいい年でしょ?
おもしろい人参ですね。
イギリスの秋って全然よくないのか。じゃあ、チャーリーちゃんに背を抜かれてもいいから、やっぱ春にした方がいいかな?
でもイギリスの天気は本当に信用が置けないから、運しだいでもあるんですけどね。
天気はともかく、夏時間が終わる10月末からは、暗いですね。
子供も冬はあまり成長しないようです。
片平なぎさは、確か主人公の女性の上司役だったかな。どこかで見た顔だな~と思いつつ見ていて、途中で思い出しました。
みんな同様に、年は取りますよね(笑)。
きっと彼女なんて私たちより10歳くらい年上だから、50代半ばってところでしょう。まだ芸能界にいるのかと、驚き。
芸能界って、きれいに消えていってしまう人と、ず~っと残っていく人とが居ますよね。
残っている人たちにはそれなりに芸があるのか、それとも運か?!
片平なぎさって、昔子供のときに人気があったの覚えているけど、それ以降は全然記憶ないけどなあ。
日本でまだSMAPが人気があるのに驚き。キムタクはかっこよさが減ったと思った。
さんまさん、まだまだ大人気でしたね。嬉しいことですね。
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