2019年4月28日日曜日

ダイベスティング

昨日の続きです。

温暖化の元凶のCo2の70パーセント以上が、世界の100の企業が排出しているという話を書きました。なので温暖化を抑えるためには、個人がいくら頑張っても、こういった「汚い会社」を何とかしないとどうにもならないのです。

そのための手段がダイベスティングです。Divest.英語でも聞かない言葉です。意味はInvest(投資)の反対。お金を引き上げる、投資をやめることです。

一番大きな投資家は、個人ではなく年金基金や信託などの機関投資家です。年金と言うと個人年金を思い浮かべるかもしれませんが、それだけでなく、イギリスでは教員の年金とか鉄道会社の年金などの職業ごとの年金もあるし、年金に限らず、大学や地方自治体、政府、宗教団体など、あらゆる団体は何かの投資をしています。

その投資は、だいたいいろんな企業のいろんな株や債券などの金融商品に幅広く投資するものですが、そのポートフォリオから、「汚い企業」を取り除くことが、ダイベストメントです。

そもそもは数年前に草の根運動から始まり、個人が自分の会社や大学や教会に働きかけることから始まったようですが、 今ではこれにどんどん加速がかかり、いろんな団体がダイベストしました。現在では1000以上の団体がダイベストしました。

1000と言うと大したことないかもしれないけど、例えばイギリスの大学は半分以上がダイベストしてます。息子ルイのキングスカレッジもその一つです。(ホッ)地方自治体も多く、大きいところではイギリスではオックスフォード市やロンドンのいくつかの区、そしてパリもその一つです。そして最近の一番のニュースは、アイルランド共和国国家がダイベストしました。

このリストを見ると、意外なことにアメリカやオーストラリアの自治体が多いです。サンタフェ市、シアトル市、サンフランシスコ市などがダイベストしてます。

個人レベルでもダイベストしようという動きがあり、イギリスでは「道徳的銀行」「道徳的投資会社」というものがあります。

その話はまた後日書きます。

ではこちらもよろしくお願いします

2 件のコメント:

A子 さんのコメント...

Co2を多く排出している企業のリストを見ました。
多くが、石炭、石油、エネルギー(なんの?)の会社なのですね。エネルギー会社って社名だけは一見クリーンなイメージなのに。

専攻別収入のランキングでは、ペトロニウムエンジニアが医師を除くと一番収入が高いとなっていますから、理系の学生は収入目当てでこの分野を目指す学生がいそうで残念。賢い頭を地球を救う方面で使って欲しいです。

ところで、ダイベスティングをしている団体も同じ記事で確認することができますか?

Atsuko さんのコメント...

A子さん
やっぱり中東関係の会社が多いですよね。あと、ロシアとか中国とか、どうやって圧力かけることが出来るのか見当もつかないような企業。日本の会社はないとはいえ、シェルやMobilは日本でも子会社があるので、日本も無関係ではないですね。
息子が大学を選ぶ時も、Chemical Engineeringが一番収入につながる学科だと聞きましたが、こうして考えると、石油会社関係なのでしょうか。
イギリスでは環境科学や環境問題関係の地理は人気のある学科です。日本での環境問題のプライオリティの低さに改めて驚いてます。イギリスではニュースを30分も見ると、必ずこの問題に関するニュースが出てきますが、日本では関心度は本当に低いですね。
ダイベストしている団体、こちらのリンクで見れます。残念ながら日本の団体はゼロです。が、早稲田大学の学生さんが運動をしていたので、署名をしておきました。
https://gofossilfree.org/divestment/commitments/