2012年4月26日木曜日

タバコと肥満と糖尿病

昨日のニュースで見たのですが、御存知のようにイギリスの医療はすべて税金でまかなわれていますが、20年後には糖尿病が増えて、医療サービスの財政を脅かすだろうとのことでした。現在のところ糖尿病関係にかかる費用は全体の予算の10パーセントくらいですが、これが16パーセントくらいまで上がることが予想されてるそうです。

御存知だとは思いますが、糖尿病というのは若くして発病する一型と、中年以降に発病する第2型があります。第一型のほうは原因不明なんですが、第二型は生活習慣と関係が深い。第二型糖尿病の一番のリスクファクターは、年齢をのぞけば、肥満が第一の原因だそうです。

こうして考えてみれば、20年位前からつい最近までは、喫煙が国民の健康を脅かす一番の敵だということで、あらゆる手段で喫煙率を下げる努力がされていました。

まずなんといっても高い。1箱6ポンドくらいします。日常用のワインが1本買えてお釣りが来るか、ガソリンが4リットル以上入れれる額です。それから箱の40パーセント以上の大きさに、「タバコは死を招く。」などの警告が入っています。そして、数年前に法律が変わって、今は自宅以外の屋内ではほとんど吸える場所がありません。



スーパーなどではタバコはカウンターの後ろで売ってるんですが、先日行ったらその棚に雨戸のようなものがあって、見えないようになっていました。ディスプレーしてはいけないという法律があるのかもしれません。

まあそういういろんな努力のおかげで、 現在の喫煙率は20パーセントくらいまで下がりました。30年前は男性は40パーセント、女性35パーセントくらいだったので、ずいぶん減りました。ちなみに私が生まれた1965年は、それぞれ55パーセント、42パーセントです。そのおかげで、特に男性の肺がんのケースが大きく減りました。

 それで最近、タバコに替わって成人病の根源と言われるようになったのが肥満です。統計によると、イギリスでは50-60パーセントの男性、40-50パーセントの女性がオーバーウエイトだそうです。なので私が細いほうだと思われてる理由がお分かりでしょう。

で、話が最初の糖尿病に戻りますが、この医療サービスの財政危機を救うには、第二型の糖尿病を減らさなければいけない。そのためには、高齢化はどうしようもないが、肥満を減らさなければいけないと、よく言われるようになりました。

で、その対策の一つとして、ジャンクフードに消費税をかけるという話が出ています。イギリスでは食べ物は消費財がかからないのですが、ジャンクフードだけは20パーセント税金をかけるという案が、結構具体化してるようです。

ジャンクフードといっても、マクドナルドなどのテークアウトはもう税金がかかってるので、ここで対象になるのは、店で売っているもの。たとえば分かりやすく日本を例にすると、パン屋の食パンは無税だけど、アンパンやカレーパンにはかけると言う話のようです。

でもこれって、何を無税にして何を課税するか、難しいと思うんですよね。それに効果のほうも怪しい気がします。1ポンドのソーセージロールが1.20になっても、ただ物価が上がるだけで、消費行動には影響ないんじゃないかなあ。タバコみたいに70パーセントくらい税金をかけないと。

まあ税金のほうは、財政赤字を減らすために便乗されてるって気もしますけど、国を挙げての肥満対策、タバコのように成功すればいいなあって思います。

そうそう、先日BMIの話が出ていたので、子供達の体重と身長を入れてみました。チャーリーは前回学校で身体検査があった時はぎりぎりのところでオーバーウエイトということで、私は憮然としていたのでした。今回はちょっとだけ背が伸びたので、ぎりぎりで健康体重でした。で、ルイを入れてみると、健康体重ではありましたが、オーバーウエイトのちょっと下くらいでした。

でもルイって贅肉1グラムもなしなんですよ。ちょっと脂肪をつけないと、サーフィンしたとき冷えすぎるといわれてるくらい。ルイもチャーリーも毎週20キロくらい泳いでますから、とにかく筋肉のつき方が普通でない。そう思って注意書きを見ると、「思春期の子供と筋肉がたくさんある人は例外です。」というようなことが書いてありました。二人とももう子供体型ではないので、その辺も関係あるようです。

私のほうは、今の体重でど真ん中よりちょっと上の健康体重です。50.8キロまで減らすとちょうどど真ん中くらいに行きます。私よりチャーリーは6センチ背が高くて体重が同じくらいで、私が標準って言うんだから、やっぱりうちの子供たちくらいの年齢の人は、大人用と子供用の標準の間くらいなので、難しいんでしょうね。

6 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

BMIだけじゃ測れないよね。体脂肪率とのセットじゃないと。

煙草の箱の柄ですが、もっとすごい国もありますね。肺がんの肺の写真とか。

Atsuko さんのコメント...

アメリカだったかな、その写真の話。ちょっと見たけど気持ち悪かった。昔のタバコ=かっこいいというイメージがなくなるのが必要でしょうね。

匿名 さんのコメント...

最近イギリスはは子どもの糖尿病も増えているみたいですね。政府が特に気にしているのは、生活習慣病のタイプ2の糖尿病のことだと思うけど。

個人的には、イギリス人の特にタイプ2の糖尿病になる可能性の高い人たちって食生活が思いっきり悪い気がします。スーパーでレジ待ちをしているときに、買っているものを観察すると、「これじゃ、あかん!」って思うことよくあるし。

あまり料理をしないみたいで、パンやReady-meal とかどんどん買って、マッシュポテトまで買ってる人とか、結構みるし。「マッシュポテトぐらい自分でつくれ!」ってよく思ういます。そうそう、たくさん買い物しても、買った野菜はマッシュポテトとコールスローだけなんて人もいるし。やれやれ!

NHSが「バランスのよい食事、適度の運動」なんて口酸っぱくいってるけど、運動不足、過食、偏食の習慣がついてしまうと、そう簡単にはライフスタイルか変わるわけもなく、事態は悪化しているように思います。

私の周りにも、「ロケット?サラダ?うわっ、a bunny(ウサギ)みたい!」「運動?ジョギング?それ何?めんどくさい!時間ない!」とかいう人が数人以上いるし。

後、日本の場合は、家庭科の授業で栄養学(カロリーやビタミン、ミネラル)のことをしっかり学んで、調理実習で家庭でのご飯の作り方をちゃんと教えるから、バランスの取れた食事について、ある程度の知識や意識があるから、イギリスほど肥満の問題が深刻ではないんだと個人的に思います。イギリスも、日本みたいな家庭科教育が必要だと強く感じます。

Atsuko さんのコメント...

匿名さん、子供の肥満が増えてるってよく言われていますが、うちの子供の学校には太った子供はめったに見ないです。うちの学校だけでなく、太った子供って町でもあまり見ないし(少しはいる)、マスコミの言うことだから、ちょっと大げさに報道してるのかもしれません。

確かに私達の世代以上の人って、そういう人多いですね。昔一緒に住んでいた(ハウスシェア)していた男性も、ぜんぜん自分では作れないみたいで、毎日M&Sのレディーミール食べてました。

でも去年から息子が中学生なのですが、クッキングのレッスンがありますよ。生地から作るピザとかチリコンコーネとか、結構凝ったもの作ってきます。今中学生の男の子達の間で一番人気のある職業は、実はシェフだということです。今はテレビシェフとか人気あるから、考え方が変わってきてるんでしょうね。料理できる男の子はセクシーということらしいし。

匿名 さんのコメント...

atsuko さんは、カントリーに住んでいるから、ある意味、子どもには、とても恵まれているんだと思います。広々とした屋外で、どんどん遊べるし、田舎の子は元気です。

都市部は、肥満の子どもたくさんいますよ。小学校3年生ぐらいの子どもでもぽっくりお腹が出てるなんてことがよくあります。お金持ちでないかぎり、広々とした庭で遊ぶってことは殆どないし、スポーツクラブに入るか、親が積極的に公園にでも連れて行かない限り、運動するってことが殆どないですし。

イギリス人の女性は、「料理が苦手!」「料理が嫌い!」って人が結構いるから、料理ができるハンディマンは好感度が高いんでしょうね。正直な話、私の周りのたくさんいるイギリス人(白人)の女性でも、出来合いのものを使わず、きちんと3−4コースのディナーパーティーの料理をこなせる女性なんて2人ぐらいしかいないし。

イギリスのセカンダリースクール、確かにfood technology っていう授業があって、調理実習もあるけど。ただ、日本みたいに、高校のレベルまで、みんな家庭科の授業で栄養学を学ぶってことはないし。私が高校のときは、食品成分表の本を渡されて、カロリーやビタミン、ミネラルをきちんと数えて、メニューをつくることをしっかり学びまし。鰹節や昆布からお出汁をとることもしっかり学んだし。天ぷらも茶碗蒸し、ちらし寿司の作り方も学んだし。きちんとミシンの使い方も習得できたし、日本の家庭科の授業は素晴らしいと思います。

イギリスでも、多分、ある程度は栄養学のことを教えているとは思うのですが、ただ、食べることって、習慣だから、一度その習慣がつくと、それを変えることって難しいのだと思います。

それから、ピザね、作るのとても簡単ですよ。生地なんて小麦粉と砂糖と塩とイーストと水があれば、すぐにできるし。我が家は市販のピザ買ったことないです。

Atsuko さんのコメント...

匿名さん、またまた興味深いコメントありがとうございます。確かに田舎だから恵まれてるのかもしれません。私はロンドンに8年くらい住んでいてとても好きだったんですが、子供がいたらどうやって育てて良い物かわからなかったかもしれません。ロンドンからこしてきたあるお父さんは、夏休み子供やその友達をあちこち連れて行くのに3000ポンドくらいかかったなんて言ってました。ここなら天気さえ良ければビーチですからね。

イギリス人の女性って料理が好きで上手な人もいるけど、一方でぜんぜん食べること自体に興味が無くて、ソーセージかフィッシュフィンガーかチキンナゲットとチップスとピーだけって言う人も多いですね。日本と違って極端なんだなあ、きっと。たまにだんなさんがすごく料理が上手って人もいるしね。

私が学校に行っていたときは家庭科は女子だけだったんですが、まさか今もそうなのかなあ。