2009年5月2日土曜日

A Course In Miracles

今週、2006年の夏から読み始めたA Course In Miraclesという本を読み終わりました。これは3部がひとつの本となっていて、Text, Workbook For Students, Manual for Teachersの3つに分かれています。一部が700ページ、2部が500ページ、三部が500ページ近くあるので、全部あわすとかなり長い。しかも難解。はじめはもっと早く読み進むつもりでしたが、一度に10ページが関の山で、途中からはあきらめて1日1-2ページずつ読みました。

これは普通の本とは違うのです。

これを書いたのはHelen Schucmanという人で、彼女はコロンビア大学の心理学のプロフェッサーです。でも書いたといっても著作は彼女ではないんです。というのは、これは彼女が「声」をチャンネルして書いたものだからです。彼女自身は自分はストレスで頭が変になったのではないかと思うくらいいやだったのですが、同じ大学の別の教授に相談し、とりあえず書き取りはじめたところ、これは貴重なものであるということになり、何年にもわたって書き続けたらしい。

読み始めると一人称のIが出てきます。で、はじめはこれは著者かと思うのですが、しばらくしてこの声の主が誰がわかってくる。誰かというと、イエスキリストです。

Schucman先生は7年くらいこれをしたのですが、もちろん本職の大学教授もしていたし、いやでいやで仕方なかった。それで書き終わるとこれを人に託して、自分は著作権を一切放棄して1ペンスもお金をもらわず、しかもその教えに従うこともしなかったそうです。

それでちょっと不思議なことは、この本は簡単には手に入らない。この本に関する本、この本に影響を受けて書かれた本はたくさんあるのに、この本自体は本屋では買えない。インターネットでもなかなか手に入らない。私も一度ネットで探して、お金まで払ったのに手に入らなかったことがありました。

それが2006年の夏、ちょっと個人的な不思議な霊的な出来事があり(こんなこと奇跡でもないとありえないと思っていたことが起こった)、そのしばらく後にほかの本を買うついでにアマゾンで買いました。でもそれもたまたま買えたんです。普通にアマゾンのサイトで検索しても見つからなくて、リンクをたどっていくとなぜかまたアマゾンに戻って、買えました。値段はけっこうした。

でも私の友達で大病をしたのをきっかけに霊媒になった人は、ロンドンの本屋で売ってるのを見かけて、簡単に買ったらしい。

これを読んで人生観が変わったか。うん、人生観が、なんてものではない。何もかもすべてを見る目が変わりました。まず宗教観がすっかり変わった。キリスト教をはじめとする宗教がいやになったと同時に、ますます世界観が霊的なものになった。宗教というのは結局は人間が作った社会組織と規範であって、本当に神を知るには宗教を離れた個人的な「源」との関係、直接的体験が必要だと実感しました。

20年前くらいに初めてメディテーションの仕方を習って、その後ことあるごとに毎日しようと決心しつつ、なかなか続いたり続かなかったりしたのですが、この本の第2部を読み進めるうちに、次第に毎日瞑想する習慣がつきました。

それからまた不思議なことには、この難解な本を読んでいる最中に、導かれるように別の本に出会うのですが、それがまた思いもかけない出会い方をする。それで読んでみると、この本で難しい言葉でかかれてたコンセプトが砕いて書いてある。

ここまで書いてみて、ぜんぜん内容については書いていないなあと思い当たりました。でもなかなか一言で書けるようなことではないんですよね。1960年代に書かれたこの本、日本語訳をしている最中というはなしですが、本当かなあ。たぶん本当に誰かが訳してるんだろうけど、出版にはいたらないだろうなあという気がします。

そう思うと、こうして英語圏のイギリスに住んで20年になりますが、この本に出会えただけでも、外国暮らしした価値があったと思うくらい。それでおそらくこの本の事を初めてて聞いた12年前くらいなら、多分まだ読みこなすことはできなかったかもしれないので、

Everything I need to know is revealed to me at the perfect timing.
(知るべきことはすべて完璧なタイミングでやってくる。)

ということなのでしょうか。

毎日読んでいた本が終わったので、しばらくちょっと変な気がします。

2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

その本、とても興味あります。読みたいです。でも、英語でそれだけ難解なものを大量に読み切る自信がない・・・。仕事がずっと英語なので、家に帰ると英語に触れたくないんですよね・・・。出会うべき時に日本語訳に出会うかな?

Atsuko さんのコメント...

こんなの誰も興味がないだろうけど、せっかく読み終わったし自分の記録のためにと書いたのですが、興味を持って読んでくれた人がいてよかった。

難解といってもコンセプトが難解なので、言葉自体が難解なわけではないので、毎日に少しずつ読めば、だんだんわかっていくのではないでしょうか。第二部は365レッスンあって、1日1レッスンずつ読むようにできています。

日本語訳は出ないような気がするなあ。でも出会うべきときに原作と出会うのでは。おそらくアマゾンのイギリスやアメリカで探せば見つかるのでは。