2019年5月5日日曜日

個人のグリーン投資の話

先日ダイベスティングの話を書きました。大学や宗教団体、地方自治体などの団体が、年金基金などを、石油や石炭などの温暖化につながる企業に投資するのをやめるという話です。

が、そのダイベスティング、個人でもする人が増えています。イギリスでは、「倫理的銀行」や「倫理的投資会社」がいくつかあるのです。

倫理的銀行は、環境問題だけでなく、その他の人権問題、社会問題にも敏感で、社会的倫理に問題がある会社には投資や貸し付けをしません。 倫理的投資会社は、再生可能エネルギーなどに投資します。

それでですね。私も微力ながら、微々たる貯えをこういった金融機関に移すことにしました。

まずはエコロジーBSという金融会社(銀行のようなもの)で、毎月の積立をすることにしました。預けたお金は、暖房の効率のいい住宅のローンの貸付に充てられます。これは金利もすごくいいので、普通の投資としてもお勧めしたいくらいです。

次にリチャード・ブランソン のバージンブランドのバージン・マネーの投信で、イギリスの株にインデックス投資してあったお金を、「気候変動ファンド」に入れ替えました。これは、ファンドマネジャーが環境問題にきちんと対応している企業(そういうS&PとかMoody'sみたいなリストが存在するのです)と再生可能エネルギーの会社に投資してくれます。

そんなことして、 老後の貯えは大丈夫なのかと心配されるかもしれませんが、LSE(ロンドン経済大学)のリサーチによると、石油やガスセクターを外して投資しても、過去のデータに戻づいたシミュレーションによると、ほとんど差がないそうです。むしろ今後は、気候変動対策でそういったセクションから引き上げる投資家が増えたり、そう言った分野自体が収益が下がる可能性が強いので、普通の投資の目から見ても、引き上げ時かもしれないと言われています。

そしてその次に、私が一番エキサイティングだと思っているのは、 環境保全の新プロジェクトに直接投資する金融会社です。イギリスで今年からマル優投資ができるようになったセクターです。

それでAbundanceという会社で、手始めにほんのちょっとだけ投資してみました。選べるプロジェクトがいくつかあり、債券投資のようなシステムです。わたしの投資したプロジェクトは、埋め立てされるゴミを高温でガス化しエネルギーに変えるというプロジェクトです。自分でちゃんとプロジェクトの長い(オンライン)パンフレットを読んで決めないといけません。なんでも日本のテクノロジーとかで、ビデオでは早稲田大学の科学者が興奮気味に説明していました。

4年の投資で、利回りは10パーセント。イギリスの定期預金の金利は0.1パーセントくらいですから、格段にいいです。が、リスクももちろん大きいです。この会社は一口5ポンドから投資できるので、毎月ちょっとずつ、チャリティーに寄付するつもりで投資することにしました。意外にもエキサイティングです。

ではこちらもよろしくお願いします

2 件のコメント:

A子 さんのコメント...

イギリスはブリグジットで大揺れなのに、環境問題にも国民は注視していて驚きます。
日本は経済、少子化、老後、この前の選挙はこれしか話題にならず、多分環境問題だけを取り上げる候補者は当選は出来ないと思います。

面白い銀行があるのですね。日本も銀行業務は行き詰まっているのだから、いっそこういう銀行ができたら環境問題共々注目を浴びると思うのですがね。

Atsuko さんのコメント...

A子さん
皮肉な見方ですが、イギリスは、実は国民はブリクジット問題で本当に辟易していて、もうそれはどうでもいいから…という感じで、焦点が環境問題に移ってきました。環境問題は、Co2や温暖化だけでなく、社会の不平等さもその原因ですから(富裕層ほどCo2の排出量が多い。先進国のほうがCo2の排出量が多い割には、発展途上国がまともに被害を受けているなど)、それも政治的焦点になっている理由だと思います。
日本は、科学やテクノロジーなど、温暖化問題の解決となる研究が進んでいるのに、意識が低いのが本当に残念です。

日本の銀行は横並びですから、難しいかな。。。でもなにか、銀行でなくても、たとば信託投資などで、「石油会社やガス会社などを除くファンド」くらいなら簡単に出来そうですよね。