2017年6月4日日曜日

総選挙での戦術的投票

日本に住む方は知らないでしょが、来週の木曜日はイギリスの総選挙です。大方、現政権を握る保守党が勝利し、メイ首相は再選されるだろうとの予想です。

うちの息子ルイはいま18歳で、これが初めての総選挙です。なので色々調べたりテレビの討論を見たりと、なかなか盛り上がっています。友達との間でも話題によく上がるらしい。

そう、イギリスの政治は日本に比べると結構おもしろいです。保守党と労働党で政権が変わるし、それぞれがかなり違うイデオロギーを持っていますから、政権が変わると、国民の生活にも直接影響が出てきます。

イギリスの選挙の特徴は、ひとつの選挙区で一人しか当選しないという点です。ですから、選挙前の調査で、たとえば保守党支持が50パーセント、労働党が30パーセント、自由民主党が20パーセントとしても、それが議席に反映される可能性は少ないです。なぜなら、極端なことを言えば、すべての選挙区でこの通りのパーセントで投票されたとすれば、すべての選挙区で保守党議員が選出されることになるからです。

そこで最近話題になっているのが、Tactical Voting、戦術的投票です。

たとえばとなりの地区は現在保守党の議席なんですが、前回までは大臣経験のある自由民主党の議席でした。前回の投票の内訳を見ると、当選した保守党と自民党の差は13パーセントくらいです。つまり6.5パーセントくらい保守党から自民党に票が流れれば、議員が変わることになります。

それで、ここでタクティカル・ボーティングが威力を発揮するのです。労働党支持者は、もちろん労働党に当選して欲しいけど、それが無理なら、なんとしても保守党議員を引き摺り下ろしたい。保守党が国会の過半数を取れなければ、労働党と自民党とその他の党の連立政権も(可能性は少ないけど)ありえます。

ルイの友達はほとんどが労働党支持者(若者は大体そうです)なんですが、自民党への戦術的投票を考えている人も多いし、そのキャンペーンも活発です。

今日FBで見たのは、Swap my Vote というサイトでした。たとえば、自分は労働党支持者なんだけど、自分の選挙区では労働党は勝ち目が全然ない。その場合、もしも保守党とUKIP(英国独立党)以外なら投票しても良いと考えるなら、それを登録すると、そのサイトが誰かとマッチングしてくれます。すると自分の分を誰かが、もっと有効な選挙区で労働党に投票してくれる代わりに、自分もその人の望む党(保守党とUKIP以外)に投票するという仕組みです。

このシナリオってまさに我々の住む選挙区です。

今回の選挙は、まず保守党再選で間違いないということで、ここ何十年で一番の退屈な選挙と言われていましたが、ちょっとだけおもしろくなってきたかな。

まあ、本当に最近の政治は何があっても驚きませんからね。

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