2017年6月10日土曜日

一票の重さ

イギリスの選挙の話をもう少し。

イギリスの選挙はいつも木曜に行われます。午後10時に投票が終わるや、早速開票になり、早いところでは夜中の12時前には発表になります。が、大体は夜の間に続々と結果が発表され、朝一般人が起きる頃には、ほぼ9割5部結果が出ています。

それが、今回、ロンドンの中心地の、あのハロッズのあるナイツブリッジ地区を含むケンジントン選挙区の発表が24時間以上発表されませんでした。選挙の翌日の朝には、「開票員が疲れたので、一旦家に帰って休息の後、また夜に数える。」という冗談のような発表がありました。

そしてその結果なんですが、今までロンドン市内での数少ない保守党の地区だったのですが、1974年にこの選挙区が出来て以来初めて、保守党から労働党が議席を奪いました。しかもその差は20票です。

16,333票 対 16,313票。

何度も数えなおしがあったようです。開票員が疲れるはずです。

こんなことってあるんだなあと思っていたら、イギリス中の650ある選挙区の内、差が100票以内だった選挙区が10もあり、最小の票差はなんと、2票です。

2票。

私がいま住んでいる地区は保守党が圧倒的に強くて、正直、わざわざ投票に行ってもどうせ何の意味もないだろうと思ってしまっても仕方ないほどです。逆に昔住んでいたロンドンのカムデンは、圧倒的に労働党が強かったので、こちらも別の意味で投票に行く気があまり湧かない場所でした。

それでもこんな風に、ホンの数票が大きい差を生み出すと思えば、一票でも大切にしないといけないですね。しかもケンジントンなんて、保守党が圧倒的に強い地区だったから、本当に20票の差で、40年以上続いた保守党の議席が失われることになるなんて、誰も予想しなかったことでしょう。

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