2017年6月16日金曜日

イギリスの国会のダイバーシティ

今回の総選挙での明るい話は、かつてない多様なバックグラウンドの国会議員が選出されたことです。

まず性別的には、650議席のうち208人が女性議員です。比率では32パーセントになります。これは多いのか少ないのか言いにくい数字ではありますが、たぶん日本に比べると格段に高いことでしょう。前回(2015年)は191人でしたから、右肩上がりに増えてきているのは、いいことに違いありません。

ちなみに調べると、米国では上院下院とも20パーセントくらいでした。

人種的には52人がエスニック・マイノリティーです。これも前回の41人を大きく上回りました。(割合にすると低い感じがしますが、こんなものなのかな。)イギリスでエスニック・マイノリティーというと、黒人よりはインド人系が多いのですが、初の黒人議員が選出されたのはなんと1987年です。この年は私がイギリスに留学した年なんですが、それまで黒人議員っていなかったんですね。ちょっと驚きです。

ちなみに、ロンドンっ子たちに抜群の人気を誇るロンドンの市長のサジク・カーンは、西洋の主要都市で初のイスラム教徒の市長だそうです。

個人的に興味深かったのは、公立高校に行った議員と私立高校に行った議員の比率です。日本とは制度が違うので説明がややこしいんですが、私の子供たちが行くようなごくごく普通の公立の高校卒の議員は51パーセントでした。私立校は29パーセントです。

一般人口では私立 の生徒は10パーセント以下だと思うので、比率だけで見ると、やっぱりまだ公平ではないと言えるんですが、わたし的には50パーセント以上とは、思いのほか高いなあと思いました。ちなみに英国の医学部の学生は、80パーセントが私立出身と聞いたことがあります。

一番以外で驚いたのは、LGBTの議員が、公表しているだけで45人もいることです。ということは
8パーセントくらいの国会議員がLGBT。これって人口全体に比較するとどうなんでしょう。私が知らないだけで、一般人の間でも10パーセント近くがLGBTなんでしょうか? そうなのかもしれません。

それと、セクシュアリティーが原因で差別を感じて育った人達は政治意識が目覚めやすいのかも?政治家として声を持つ人は、自分のセクシュアリティーを公表する義務を感じるけれど、一般人はまだ周りの目を気にしてカミングアウトしていない人が大半なのかもしれません。

ではこちらもよろしく

イギリスランキング

2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

すごいね、さすが世界の先を行ってる国ですね。

外国人の立場からするとそんなふうになってきて素晴らしいと思うけど、自分が日本人で日本にいて、日本が移民を受け入れて、国会議員や市長やらが日本人じゃない人たちになったらどう感じるんだろう・・・。いいことだなぁと言えない気がするところが、自分には甘いなぁって感じ。いかんね。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん
へえ、そんなものなのかな。でもオバマ大統領には抵抗はなかったでしょ。日本はまだ外国人の移民が表舞台に出てくるようになってから短いから、そのうち意識も変わるんじゃないかな。国会議員どころか、会社の役員とか社長とかでも、移民の人達って聞いたことないし。
中国人や韓国人の移民の歴史は長いはずだけど、差別のせいで、隠していた人達が多かったからね。日本も私から見たらずいぶんいいほうに変わったと思うよ。