2011年3月28日月曜日

イギリス人がたまげた道路と今後の日本

今日もヨガに行ったら知らない間にたくさん募金が集まっていました。お札を入れてくれる人が大半です。茶筒(募金用にヨガのレッスン中入り口の近くにおいてある)の中が全部お札だったら募金してくれる人もしづらいじゃないかと思い、わざと小銭をジャラジャラ残しておいたんですが、やっぱりお札が何枚も入っていました。20ポンド札三枚、10ポンド札2枚、5ポンド札1枚でした。

年金生活で一人暮らししている85歳のおばあさんもお札を入れてくれていました。

私としては今迄で予想していた額をはるかに上回って集まった上に、人様の善意のお金をしかも現金でそんなにたくさん管理することがちょっと怖くなってきたので、正直言ってもう集まらなくてもいいやという気持ちです。募金に関しては十分やるだけのことはやったと思うんだけど、それでもまだお金が集まってます。来週でイースター休みに入るので、それまではちょこちょこ入ってくるんじゃないかなあ。

20ポンド札を入れてくれる人がたくさんいるのですが、20ポンドとはどれくらいのものかというと、厳密には今のレートでは3000円にもならないんじゃないかな。 でもつい2年くらい前まではずっと20年くらいの間4000円から5000円の間でした。もちろんイギリス人にとってはポンド安でも関係ありません。

私のヨガのクラスでは半学期ごと(6週間)にレッスン代を払っていただくのですが、これが20ポンド(年金生活者17.50ポンド)です。だから1ヵ月半分の月謝を気持ちよく募金してくれる人がたくさんいるんです。

さて地震の話はもうこちらではほとんど聞かなくなりましたが、それでも数人に驚かれたのが、この記事です。ヨガの生徒さんの一人は新聞の切抜きまでくれました。




左が3月17日、右が3月23日。「ナカの大関東道路(Great Kanto Highway in Naka)」がたった6日で修復されたとのことです。日本でもニュースになったかな。

こちらではクリスマスの大雪で道路にできたたくさんの穴がまだそのままで、道路はまるでインドかどこかの第三世界の道のようです。それに比べて日本はなんと行動力があるのかとの驚きと賞賛の声が新聞にもネットにも普通の人の間でも出ていました。

1週間以上も前ですが、ロンドン経済学院(London School of Economics)の教授が、「日本はここ20年近く経済が停滞し続けてきたが、この震災が引き金になってまた大きく経済が伸びるだろう。初めこそ被害のせいで景気は停滞したとしても、再建の需要で経済は潤う。」というようなことを、ちょと言いにくそうに言っていました。

まあ確かにあれだけ車が流れたんだから、それだけをとっても自家用車の需要はすごいだろうなというのは、誰の目にも明らかですからね。

日本ではこういうこと言われてるのかな。堂々といっちゃうとあまりにも空気が読めてないので、そういう意見は公には出てこないのかな。この新聞の切抜きにも、世界的に日本への投資(投機?)はもう始まってるというようなことがちょこっと書いてありました。(といってもこれはデイリーメイルという2流紙なんだけどね。)

この地震、まだまだ収まってないし原発事故の心配もあるし、ぜんぜん先が見えてないけど、たとえばこの1年後、もしくは3年後日本ってどんな国になってるだろう?日本国民って変わるんだろうか?

日本は学習能力の高い国だから、災害に対する準備は今以上に万全になるでしょう。とくに復興した地区は 津波対策はしっかりとされるでしょう。それからこのLSEのおばちゃんが言っていたように、日本の経済はこれが機になってまたさらに発展するかもしれません。

でも日本人って変わるかな?昔、阪神大震災の割とすぐ後に日本に行ったのですが、その時「あんなことがあったから諸行無常の日本的な価値観に戻って、物質主義は収まるんじゃないか。」と思ったのに、飛行機の中はブランド物のお土産の手提げを持つ人ばかりで、やっぱり日本人って変わらないなあと思ったのを覚えてます。

私の実家は大阪なんですが、あんなに被害にあった神戸もすぐにすっかりきれいに回復してました。あと数年たってこの東北の町々が復興したら、少なくとも直接被害に会わなかった国民は、もうまたすっかり元通りの生活に戻るんでしょうか。

私はそうではない様に思います。表面上は普通に戻って、テレビや新聞で芸能ニュースが騒がれるようになっても、少なくとも今の10代から上の人たちは皆、やっぱり何かを抱えてこれからの人生を生きていくことになるんじゃないかな。たとえば戦争を経験した人が、いくら平和な時代に戻っても、100パーセント元の自分に戻れないように。

日本人が変わることを望んでいるかと聞かれれば、イエスでもノーでもないんですが。

ああ、ここまで書いて思い出しました。今日はこういうことを書くんじゃなくて、読んだ本の話を書くつもりでした。それは明日だな。

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5 件のコメント:

こんの さんのコメント...

今日のも、いろいろと考えさせられる良いブログです!!
内容が盛り沢山で、書きたい考えもありますが、やはり募金には頭がさがります
経済のこと
道路復旧のこと
いちばんの関心は、日本人がかわるかどうかというそれです
変わらない部分と、変わるそれとがある
あつこさんの書かれたそれと似ておりますが、少し違う意見もある(笑い)

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、コメントありがとうございます。まだこういうことをいう時期じゃないかもしれないけれど、日本はどう変わるのか、変わらないのか、考えてしまいますね。
私は日本の外から、こんのさんは被害のあった場所に近いところから見てるわけですから、やっぱり視点は違って当たり前でしょう。こんのさんのご意見、今度ブログにぜひ書いてください。

あくあ さんのコメント...

このニュースはどこかで見ましたね。海外メディアだったかもしれません。でも日本の土建業の底力は評価されてますね。

日本人が変わるかどうか・・・私は被災地の人は変わると思うけど、それ以外の人は変わらない気がしますよ(このまま原発が収束すればという条件付ですが)。今現在、周りにも地震前となんら変わらない人いっぱいいますもん。自分が影響を受けなければ、ニュージーランドの地震と同じ感じなんだろうと思います。

あくあ さんのコメント...

あ、そうそう、東北自動車道ですよ。in Nakaって何のことかわからないけど・・・。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、新聞にもネットにも in Nakaってかいてあったんだけど・・。もしかして田舎?

そんなものなんでしょうかね。私はイギリスにいてもなかなか日常モードには戻れないと言うのに。まあ、影響の無い人は普通にビジネスを営まないと生活できないし、みんながあまりにも空気読むことに汲々としていてはそれこそ景気が悪くなって悪循環だし、そういうものなのかなあ。
でも原発問題はまだまだ予断を許さないようだし、これだけでもすごい危機だと思うんだけど。