2013年7月11日木曜日

子供の読書

子供たちが成績表をもらって帰ってきました。全体としては問題まったくありません。まあ本人達にしたら、いろいろ評価に不満はあるみたいです。

でも詳しく見て分かったのは、ルイは中学に入学して以来、Englishのレベルが全然向上していないということでした。入学当時はすごくいい成績だったのですが、今もそのレベルのまま。なので他の生徒との比較では、標準化してます。ルイはこの評価にはすごく不満そうでした。

でもよく考えてみたら、ルイって最近全然本を読まないんです。中学に入る前まではすごく読んだのに。小学生のときですでにハリーポッターは全部読んだどころか、ロードオブザリングスまで全部読んでました。大人でも大変なのに。

でも中学に入ってから今まで、合計10冊くらいしか読んでないんです。これは成績が上がらないのも無理はありません。Englishって日本の現国のようなものだから、学校の勉強さえしてればいいって物じゃないと思うんですよ。

でもあんまりにも読んでないから、どんな本がいいか分かりません。それでとりあえず、私が遅ればせながら5年位前に読んで無茶苦茶好きになった、To Kill A Mocking Birdという本を読ませてます。

Harper Lee作のこの本は、イギリスのGCSEの課題図書にもなっていてます。すごく高く評価されていて、「名作リスト」の中では常に上位10位以内に入ってます。でも日本ではあんまり知られてないですよね。日本語の題はアラバマ物語だったかな。

私は、たぶん今まで読んだ本の中で一番好きな本の一つだと思うんだけど、そんな思い入れがあるから、まだルイには読ませたくない気もあります。無理やり読まされた本ってあんまり感動しないし、名作ってあんまり若くして読むのってよくないと思うんですよ。文の読解力だけでなく、それ相応の人生経験がないと、名作のよさって分からないと思うし。

まあそれはそれとして、日本に行く前に数冊本を用意したいのですが、本当に何を読ませたらいいのか分かりません。日本って中学生高校生の夏の読書リストって決まってたじゃないですか。夏目漱石でしょ、森鴎外でしょ、へミングウエーでしょ、エミリーブロンテでしょ。私も結構まじめに課題図書を読んだけど、本当にただ読んだだけで、全然理解してませんでした。今から思うと、名作ははっきり言って中学生にはもったいない。豚に真珠です。もっと大人になってから読めばいいと思う。

こちらのネットで中高生向けのお勧めみたいなのを探して見ましたが、日本でおなじみの英米の作家では、へミングウエー、スタインベック、 ブロンテ、ジェーンオースチンくらいがちょこっと載ってたくらいでした。 主に載っているのは、ロードオブザリングスとハリーポッターは必ず載ってる他は、ほとんどがティンエージャー向けの現代作家ばかりです。何がいいか探すのが難しい。

考えてみれば、ティンエージャー向けというカテゴリーの作家がこちらにはたくさん存在するんですね。日本ではいないですよね。日本の場合は、子供の本からいきなり大人の小説の世界に入りますよね。

ルイは映画にもなったダビンチ・コードはすごくおもしろそうに読んでました。だから大人の本も読める読書力はあるけど、内容的には現代文学がどこまで理解できるか不明です。ダビンチコードみたいな推理小説的なものなら問題ないと思うけど、推理小説ばかり読むのもどうかと思うし。

こうして振り返ると、そういえば私もこのくらいの年のときは、なんとなく読むものに不自由してた気がします。読書は三度の飯より好きというくらいだったんだけど。結局推理小説を一時いろいろ読んで、でもある日それに飽きて、それ以降大学に入るまで、読書で感銘を受けたという 記憶はあんまりありません。現代国語の試験で、遠藤周作の沈黙と、永井荷風のふらんす物語に感動して泣きそうになったというのは覚えてますが。

そういうわけで、何か14歳のルイにお勧めの本はありますか?日本語の本でも英訳が出てればオーケーです。村上春樹も、まだルイにはもったいないしな。

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4 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

子供に読ませるのがもったいないというのが面白いね。確かに子供の頃に一度読んでると、読みなおすと違うんだろうなと思いつつも、なかなか読みなおさないからなぁ。

私は中学の時に舞姫を読んで、いたく感動し、現代語訳を作って小学生の妹達に読ませたことを記憶してます。中学生は報われない恋と、女を踏み台にして出世していく男の気持ちを分かってたみたいよ。

高校の頃は安部公房が好きだったなぁ。文学少女と読書感想交換日記してましたよ。

親はまだまだ子供だと思ってるけど、意外と子供でも情緒わかるんじゃないの?

本読みと山歩き さんのコメント...

私的には、今なら「少年H」です。
妹尾河童さんの本。今年の夏に映画が公開されます。
本人がふるさと神戸で体感した第二次大戦を通じての家族の物語です。
十年以上前に読みました。悲しい歴史でありながら、ユーモアあるふる文章のタッチ、泣かせる本でした。
英語も中国語も韓国語もあるはず。
映画の出来は知りませんが、文庫は秀逸でしたね~。
読み直して、映画も見る予定です。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、へえ、中学生でも舞姫がわかるのか。中学か高校の時の国語の本で読んだ覚えがあります。「むつき」とはオムツのことだったのかと思ったのがすごく記憶にある。自伝ということで、森鴎外が嫌いになったので、やっぱりそれなりに思うところがあったのでしょうね。嫌いというのがまた子供っぽい反応やけど。

Atsuko さんのコメント...

山歩きさん、「少年H」というのが題ですか。この人、昔週刊新潮か何かに、イラスト入りのコラム書いてたの覚えてます。イモオカッパと読むのでしたか?
中学生でも読めるでしょうか?