2011年5月16日月曜日

国会議員への手紙

イギリスって民主主義がすごく発達してる国と私はずっと思っていたのですが、先日あくあさんのコメントによると、日本人の持っている印象は、イギリスは古臭くって民主主義が進んでるっていうイメージではないそうです。

まあ確かにそういう面もあるんですよね。上院は貴族院で選挙ではなくて選出制だし、今は人数はすごく少なくなってきてるけど、 世襲の議員もいます。でも大半は昔の総理大臣とか英国教会の上のほうの人とか、いろいろとキャリアを積み重ねた人たちです。

それから三権分立の法則から行くと、これもきっちり分離されていない。日本でいう最高裁が、この貴族院なんです。

なので制度のうえから行くと、確かに中世からの古臭い慣習の制で 問題はあるんです。憲法もないし。

でも実際はぜんぜん問題なくうまく廻っています。権力の横行もないし、賄賂など考えられない。時々経費ごまかしなどのスキャンダルはあるものの、不正にもすごく厳しく、たいていの国会議員は潔癖以上に潔癖です。選挙の投票率もかなり高いほうです。

逆の見方をすれば、民主主義の精神がしっかりと根付いているので、中世からの慣習が幅を利かせていても、システムを変えなければという必要が起こらなかったとも言えます。

ところで日本に住む皆さん、自分の選挙区の国会議員が誰か知っていますか?その国会議員に手紙を書いたことがありますか?

私はあります。

初めて書いたのは、ロンドンに住んでいたとき。その頃ロンドンっ子たちが頼りにしていた地下鉄とバスの割引定期をなくそうという動きが国会にありました。それで、ロンドンタイムアウトというピアのような情報誌で、「自分の国会議員に手紙を書いて、廃止反対を訴えよう。」というキャンペーンがあり、切り抜いてサインをして送るだけのページがついていました。それを私も送ったんです。

そうしたら驚いたことに数週間後にその国会議員から手紙が来ました。ちゃんとサインもしてありました。今もちゃんととってあります。人に聞いてみるとこれは当たり前のこと。国会議員はその選挙区の代表として選挙民の意見を国会に伝えるのが仕事なんだから、これは当然とのことです。

そんなんだなあ。これにはかなり感心しました。イギリスってしっかりした国なんだなあ。

その後10年位前にはトニーブレア首相に手紙を書きました。その頃のソマリアの女性の権利問題でどうしても訴えねばいられないようなことがあったからです。するとその時はまず総理大臣のオフィスから手紙を受け取ったことと、その手紙を外務省に回した旨の手紙が来ました。

その数週間後に今度は外務省から数ページの返事をもらいました。

その頃それを見ていたデイブが、「僕のお母さんみたい」と言っていたので、こういうことをするのは奇特な人だけというわけではないみたいです。

で、つい最近も国会議員とスポーツオリンピック大臣に手紙を書きました。ルイとチャーリーがいつもトレーニングしているプールの屋根が4月に落ちて、6週間の閉鎖の予定が、ふたを開けてみると来年の1月までめどが立たないとのことで、窮状を訴える手紙でした。

そうしたらやっぱりすぐに国会から葉書が来ました。 内容は「手紙は受け取りました。きちんと処理します。」という印刷された内容。


これが本当に国会議員の目に止まるのかはまだ分かりませんが、たぶんちゃんとした説明の返事が来る様な気がします。実際に何かが変わるとは期待してませんが。

民主主義って数年に一度選挙に行っていればそれが民主主義って言う感じがしていますが、そうじゃないと思います。それ以外にもデモだとか圧力団体とか、直接的に民主主義を行使する機会って実は結構あるのですよ。

まあ私も最近はすっかりノンポリになって、政治関係のディベートなんかはわざと避けてるくらいなんだけど、それも政治がきちんとしていて安心しているからなのかもしれません。

日本の被災以降の様子を見ていると、本当にもっと政府がきちんとしないといけないと思いますね。日本に住む方々、思いませんか?たとえば増税とか、消費税とあげるとか、そういう話はあるんでしょうか?サマータイムも実行されないし、本当にどうなるんでしょうか?誰か教えてください。

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4 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

手紙の返事はおそらく日本でも来ますよ。事務所の人が書いた形式的なものだろうけれど。私は我慢できなくなってネットで意見したことはありますね。あとであほらしくなりましたが。イギリスの政治がどんなにいいのかは良く分かりませんが、日本の政治があまりにもひどいことはよく分かります。

こんの さんのコメント...

あつこさん 今日のそれに、熱い同感と敬意を表します
イギリスは、民主主義の大先輩、教師です
先に、民主党の小沢一郎氏が、イギリスに学ぶために渡英し、力を得たようです

日本の政治は、イギリスやドイツに多くを学びましたし、今も二大政党制めざして試行錯誤をしながらやってます

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、日本って昔は総理大臣が汚職で逮捕されたような国だし、やっぱり政治についての不信感ってすごく強いよね。でも皮肉なことに田中角栄はかなり決断力のあるリーダーだったらしいですね。

なんか日本の政治って企業と癒着していて、独立した決断力がないという印象が強すぎる。こういうのは体質だからちょっといいリーダーがでてきたくらいでは変わらないだろうなあ。

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、2党制っていうのは、実際に癒着とか汚職とかを防ぐためにもすごく必要だと思います。同じ政権が続くっていうのはよくない。一党独裁では国民に本当の選択の力がないし、政治に関する関心も薄れるというもの。

でもそれも作ろうと思ってできるものでもないのではないでしょうか。なんかこういうものって自然発生してなるように収まっていくというか。難しいですね。それぞれ国による習慣とか伝統とかがあるし。