ちょっとご無沙汰しました。風邪が悪くなって寝込んでました。風邪というよりはインフルエンザですな。
しかも子供たちがまた悪くなったんです。ルイもチャーリーも高熱で1週間学校を休んで、先週は1週間学校に戻ったのに、ルイは土曜の朝から、チャーリーは日曜の朝からまた熱出してます。寝込むほどではないのに、計ったら39度くらいあるのでこっちがちょっとびびってます。もうこれは今年は学校に行けないかも。
私は病気の間にまたサリンジャーの本を読みました。フラニーとゾーイーというタイトルですが、Franny And Zooeyで、本当はゾーイーではなくてズーイーと発音します。
これはライ麦畑に比べるとぜんぜん地味な本なんですが、まあ読んでみてそれもよく分かります。前者は中学生くらいでもわかるかなあという感じですが、この本は大学生でもなかなか難しいんじゃないかなあ。私も大学生の時読んでわかった気でいました、本当にわかってたんかいな。
哲学的、というよりは東洋宗教的考えや引用、名前がかなり出てきます。私は別に系統立ててそういうのを読んだつもりは無いけど、まあ長年のうちにかなり知識は蓄積されていたようで、知っている名前や引用が多かったけど、大学生の頃はぜんぜん知らなかったと思うな。
これもストーリーというほどの物はないんだけど、簡単に書くと、フラニーという大学生がある週末ボーイフレンドに会いに行き、そこで倒れます。それ以来彼女はナーバス・ブレークダウンになり、ニューヨークの実家にこもります。その彼女にお兄さんのズーイーがいろいろ話しかけるというただそれだけです。
実際に登場するのはフラニー、ボーイフレンド、ズーイー、お母さん。それだけです。でもこの家族関係がすごく深いんです。このグラースファミリーは 兄弟が上から、シーモア(男)、バディー(男)、ブーブー(女)、ウォルトとウェイク(男、双子)、ズーイー、フラニー。この全員が一度は神童と呼ばれ、子供の頃はラジオのクイズ番組に毎週ゲスト出演していました。
それでまあ、話に複線はいろいろあるんだけどはしょって、一番大事な点だけに絞ると、この話の7年前に長兄のシーモアが自殺するんです。で、もちろんこの話に直接シーモアはでてこないんだけど、この家族は彼の影響を強く引きずっています。それは自殺したことの影響ではなく、彼が生きていたときの影響です。彼はこの兄弟の仲で、一番心が優しく、一番頭が切れて、知恵深い人物です。
フラニーのブレークダウンの原因は、簡単に言ってしまうと『周りの人間のエゴにうんざりして、宗教的生き方に救いを求める』というところから来ています。けれどもそうすることで家族を心配させ、見かねてズーイーが話をします。
まあ、この辺はかなり難しいというか、哲学的宗教的話がいろいろ出てくるので、興味の無い人にはつまらないかもしれません。
でもまあ、最後がまたサリンジャーらしく、また涙が出そうな一言で終わります。まあ、これを読む人はいないと思うので書いちゃいますが、こんな感じです。
ズーイーが昔ラジオ局に向かう前に、シーモアに靴を磨けと言われました。ズーイーはラジオ局には嫌な人ばっかりだから、あんな人たちのために磨くのは嫌だというと、シーモアは「Fat Ladyのために磨きなさい。」といいます。それでズーイーは分けも分からずいわれたとおりにします。そしてそれ以来靴を磨くたびにFat Ladyのことを考えます。その太ったおばさんは、ズーイーの頭の中でイメージが固まっていきます。暑いポーチに座り、ハエを追い払いながらラジオを大音量で聴いてます。そしてたぶん彼女はガンにおかされています。
するとフラニーも、「私もシーモアからFat Ladyのために、ラジオで面白いことをいいなさいといわれたわ」と思い出します。そしてフラニーのイメージも、そのおばさんは籐椅子に座ってラジオを大音量で聴いていて、やはりガンを患っています。
そうして二人はこの太ったおばさんというのはイエスキリストのことなのだと悟ります。
そのあとフラニーは微笑みながら仮眠に入るというエンディングです。
このファットレイディーのことはそういえばなんとなく覚えてるなあ。そのときはそれなりに感動したつもりだったんだけどなあ。
この話には続編というか、前編と言うか 、「シーモア、大工よ屋根の梁を高く上げよ」という本があるので、また図書館で注文してみます。
2 件のコメント:
あぁ やはり風邪だったのですねぇ 流行っているようで、お子さんたちも おだいじなさいね
あつこさん なかなか難しい本を読んでるのですなぁ
そういう本が読めるって、風邪も軽快しつつあるのでしょう...
お子さんたち、ね 暖かくして、それから水分を十分にとってください
こんのさん、ありがとうございます。だいぶよくはなりましたが、ほとほと病気に嫌気がさしてます。
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