2016年4月16日土曜日

イギリスの階級制度 5

イギリスの伝統的な「中産階級」と「労働者階級」について書きましたけど、やっぱり人間をこの二つのグループに分けるって言うのは無理があります。世代的な違いもあるし、住む場所での違いもあるわけです。

5年前に行われたBBCの調査で、新たに7つの階級に分類されてました。面白いので紹介します。

エリート (6%) 平均年齢57歳
確立された中産階級 (25%)46歳
技術系中産階級 (6%) 52歳
新富裕層労働者 (15%) 44歳
伝統的労働者階級 (14%)66歳
新サービス労働者 (19%) 34歳
不安定階級 (15%) 50歳

自分がどの階級か、テストすることも出来ます。こちらです。イギリスに住む人はやってみてください。日本に住むなら、当てはまらないんじゃないかな。

質問事項は、年収や持ち家かどうか、家の値段、貯金額、知人の職業、趣味。 ということは階級を決めるのは、お金と人脈と文化ということになりますね。

一番上のエリートと言うのは、家柄も大きく関係していて、努力してそうなることが出来ない流動性のないグループとのことですが、6%って結構多いなあと思います。20人に一人以上ですからね。

 一方で、一番低収入の不安定階級が15%で、しかも平均年齢50歳って言うのは、社会問題レベルですよね。

技術系中産階級、新富裕層労働者階級、新サービス労働者って言うのは、すごく面白いです。確かに見回してみると、そう呼べそうな知り合いがいます。

 ちなみに、この調査では、伝統的な「中産階級」「労働者階級」に当てはまるのは、調査対象の39%だけにとどまったそうです。

と言うことは、段階的にイギリスの階級社会も変わりつつあるのかな。今のところ真ん中あたりがごちゃごちゃ混じり合っていて、上下が混じり合うまでには 100年くらいはかかりそうですけどね。

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4 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

まあ、なんやかんやカテゴライズしようと思っても、それぞれ個々人だしね。

結局は自分の人生に満足してるかどうかが重要で、そのためにも他のカテゴリーの人と比較して自分を卑下したりしないことが大事な気がします。自分に自信があれば、よその金持ちや人脈持ちと比較して卑屈になったりしないですよね。

カテゴライズしたがる人は、自分より下の人がいると思って安心する人々かな・・・という気がするけど、イギリス人は違うの?

Atsuko さんのコメント...

イギリスの階級制度って、インドのカーストや日本の士農工商とは違って、上下の問題じゃないんですよ。収入の問題は別として、「オペラ」と「007の映画」の違い、「歌舞伎」と「吉本新喜劇」の違いと言うのは、いい悪いの違いじゃなくて、文化の違いでしょ。まさに大阪と東京の違い。

イギリス人が普通に階級を口にすることはまずありません。気づいてないわけはないと思うけど、意識してないのかな。こういうことが問題になるのは、社会学者とか文化学者とか、社会現象として捉えられて、施政とか地方計画なので参考にすることが多いとおもうな。たとえば、医学部には中産階級の子息ばかりが集まるけど、どうやって労働者階級出身の学生への門戸を広げるかとか。

階級制度をなくそうという意欲は、イギリス社会の強いドライブです。

foo さんのコメント...

この記事、私も以前見たことあります。でも、なんかこれもしっくりこないんですよ。まだまだ上中下中産階級という方が、なんかしっくりくる感じがしてます。

Atsuko さんのコメント...

Fooさん、そうかもしれませんね。昔と比べ、労働環境がよくなったから、労働者階級でもすごくお金を持ってる人も増えたし(デボンではビルダーとプラマーは大体すごくお金持ちです。)、昔は安定した仕事があれば家を買うのは簡単だったけど、最近は若い人が買うのはプロフェッショナルでもすごく難しくなって、お金の使い方が変わってきたとか、いろいろ社会情勢が変わったことも反映されているように感じました。この辺の田舎と、都会じゃ、ぜんぜん違う面もあるのかな。