2009年6月21日日曜日

ケーキと読書録

今日は朝11時のチャーリーの乗馬と、夕方の水泳のトレーニング以外予定はなかったのですが、その割には休むまもなく、あれこれと仕事があり忙しかった。



忙しくなった理由のひとつは、イチゴケーキを作ったからです。作らなくてもいいと言えばいいのですが、イチゴがたくさん取れるから、毎日そのまま食べるのでは飽きるので、何か作りたくなったのです。作るのはすごく簡単。オーブンをつけてオーブンが温まるまでの5分くらいで小麦粉、バター、卵等を混ぜ合わせ、30分くらい焼いてスポンジは出来上がり。さめてから生クリームを電動泡だて器で(電動でないと、とても腕が疲れてできません)ホイップクリームにして、スポンジを2枚にスライスして、間にイチゴとクリームをかけ、上にも飾り付けます。






おいしそうでしょ。おいしかった。夕方水泳に行く前に、4人で全部食べました。ちょっと砂糖が入りすぎたかな。


おととい図書館から借りて読んでいたThe Road Less Traveledという本を読み終わりました。著者はScott Peck 。有名な本で、「20世紀のスピリチュアルな本100冊」にも選ばれていたので、期待して読んだのですが、感想はちょっと期待はずれでした。何度ももうやめようかと思いながら、でもそのたびに面白いところとか、いい話が出てきて、何とか最後まで読みました。ガラクタの山の中に宝石が隠れてるような感じでした。


この人はフロイド系の精神分析医で、前半はその症例がたくさん出てきます。それはまあ、面白いものもたくさんありました。でもこの人、本当に精神分析は何よりも大切だと思っているようで、不遇の幼少期を過ごした人は、分析なしではまともになれないとの論調です。



私はロンドンに住んでいたころ、ロンドン大学の夜間コースで心理学を3年くらい本気で勉強していたことがあったのですが、メインストリームの心理学者の間では、もういまやフロイドは死語に近い。そのくらい精神分析とは古臭く、お金がかかるばっかりで、根拠が少なく、成功率も低いとみなされているのです。現代の精神科の医者で、精神分析をまともに取り上げる医者はあまりいません。


それなので、この著者の精神分析信奉に、ちょっと閉口。ただその症例自体は、読んでて面白いんですけど。それで、この本どうして、スピリチュアルな本と呼ばれているのかなあと、疑問に思いながら読み進みました。


すると後半、いきなり神の話になる。ユングの集合的無意識の説明があり、これが実は神の意識ではないかという話になります。この辺は話がスムーズに進んで、私も同感なので、よくわかりました。ちょっと説明すると、集合意識というのは根のようなもので、そこから地面に出てくるのが個人個人の意識。これをちょっと薦めて、根は神で、人間は神につながりながら生存しているというのが著者の論点です。なるほど、だからスピリチュアルな本と評判があるのだと納得。


で、題のThe Road Less Traveledというのは、「人が選ばない道(をあえて選ぶ)」という意味ですが、最後にこの神の話と精神病の話がつながる。


人生というのは苦しいつらい現実に直面しなければいけないことがたくさんある。それに直面しないで、逃げることが精神病につながる。精神病を治すには、人が避けて通るような、人生の難しさや苦難を一つ一つ正面から克服していくことが必要だ。というのが結論でした。


私がこの本を読んで、抵抗があるのは、その悲観的な見方です。この本を読んで、「ああそうだ、がんばって、苦しいことを避けず、生きていこう。」という気にはなれない本です。書いてあることは納得できるし、私の思うところと同じなんですけど。


私が最近入れ込んでいるアブラハムの教えについて、ちょっと自分のブログを引用します。

『私が何度かブログに、「引き寄せの法則」やアブラハムのことを書いたの、覚えてる人もいるかもしれません。これはエスター・ヒックスというおばさんがチャネリングする「非身体的意識」で、私は1年位前から座右の銘にし、DVDやCDもよくきいています。』


で、この教えと、話の本筋(人間の意識は神の意識とつながっている)は同じなのですが、何をとっても論調が悲観的なんです。たとえば同じことでも、アブラハムは、「われわれの生まれてきた環境は、たくさんの矛盾や思い通りに行かないことがある。これはすばらしい。それがあるからこそ、自分が何を望むか、自分が何者かが、はっきりとわかる。逆境とはそのためのプラットフォームに過ぎない。そしてそれは、そのことをくよくよと悩まないで明るい気持ちでいれば、必ず実現する。」といいます。


Scott Peckは、「スピリチュアルに(精神的に高尚に)生きることは孤独で、耐えられないくらい苦しいことだ。」といいます。でもアブラハムは、「リーディングエッジ(最先端)には群衆はいない」と、同じことをさして言います。すると、ああ、私はリーディングエッジなんだ、という気がしてくる。


ここまで書いて、お勧めするわけではありませんが、それでもすごく絶賛されているので、興味のある人は呼んでみたらどうでしょうか。日本語でも翻訳されています。愛と心理療法というのが、これだと思います。

そういえばアブラハムの本も翻訳が出てるので、紹介すればいいのですが、今日は遅くなったので、また別の日に。

5 件のコメント:

こんの さんのコメント...

あつこさん そうですかぁ 心理学を3年間学ばれた
道理で、あつこさんのブログに精神分析ないしは心理学者の名前が、あるいはそういう言葉が出てくるわけがが分かりました(納得)

私も精神病院で仕事をしてましたから、なにかというとそっちの方に関心が向いてしまいます
パラノイヤとか... もしかしたら、自分がそうかもしれないとかね

ケーキ 美味しそう!!(食べたいなぁ)
お子さんたちの顔も輝いてますですね
可愛い!なぁ
うん、旨そうだなぁ...

Atsuko さんのコメント...

そうなんです。もう少し続けて、学位をとりたかったんですが、そのときはいろいろ事情があり、断念しました。すごく面白かったです。でも心理学って、やはり科学だから、日進月歩です。だから今は、私が習ったことも、ずいぶん時代遅れになっているかも。

ケーキ、おいしかったです。でもあまり食べると太るから、今年はあと1回くらいかなあ。

Atsuko さんのコメント...

あ、私もこんのさんのブログを読んで、看護夫をしてらっしゃったと聞いて、精神病関係のお仕事してらっしゃったんだろうなあと、なんとなく思っていました。

あくあ さんのコメント...

私も一度ちゃんと心理学は勉強したいと思っているけれど、あんまり悲観的なのとか、薬で全部治しちゃおうとするのとかは好きじゃないですねぇ。私は河合隼雄さんの本とかが好きでした。

ケーキ、この大きさのものを4人で一気に行くのはすごいな・・・。でも、おいしそうですね♪

Atsuko さんのコメント...

河合はやおって、村上春樹と対談していて、初めて知りました。テレビでたまたま帰国したときに見ましたが、京都弁がいい感じがして、好きになりました。

精神病は薬で治したほうがいいのもあるし、薬で治らないのもあるし、一まとめに精神病と呼ぶのがよくないのかもしれません。

でもこのケーキ、よく膨らんでるけど、そんなに大きくないよ。小麦粉100グラムだけです。(でもバターも砂糖も100グラムなんだよね。)