2009年6月16日火曜日

畑でいろいろ思うこと







うちの畑の様子です。食べ物がたくさん育っています。食いしん坊の私でなくても、これだけ新鮮な果物や野菜がたわわに育っていると、嬉しくなるに違いありません。今年は後1ヶ月で日本に行くので、どれだけ食べれるのかわからないんですけど。


季節感のないイギリスでは、イチゴと並んでしんじゃがは、夏の到来を知らせます。ジャガイモはイギリスの主食ですから、冬の間から春までは、去年の秋に取れた物を食べています。(うちでは当然ながら、冬の保存料までは育てませんが。)だから初夏に新シーズンのおいもが食べられるのは嬉しいことなんです。日本の新米のようなものかな。


それで今日、大きくなりつつあるポテトの葉をガーデンフォークでちょっと持ち上げてみてみると、できてるできてる。卵くらいの大きさのジャガイモができていました。週末に収穫するつもりです。


「新じゃが」

ガーデンフォークを
そっと地面に埋め込ませ
力をうまく、微妙にかけて
土を持ち上げる

あった
あった
七つ、八つ
卵くらいの大きさの
今年初めてのジャガイモ

たった3ヶ月前に
そっと土深く埋めた
お母さん芋が
沢山の子供をうんだ
土の中に手を入れて
指で泥をこすり落とす
匂いをかぐ

ナメクジに食べられた
フォークが刺さって割れている
丸いの長いの
大きいの小さいの

晴れた日と
雨の日と
風の日の
空気がしっとりと混ざりあい
魔法が出来た

その命を私たちはもらって
また命の魔法がつながっていく


(去年の秋にエッセイの中に書いた詩)


イチゴはネットをかけたおかげで、端のほうのが少しつつかれたくらいで、大半は無事です。さくらんぼの木も今年は割合たくさん実がなったので、初めてはしごに登ってネットをかけました。今のところ効き目ありのようです。


鳥は果物だけでなく菜っ葉や新芽もつつきますが、ネットをかけると、「まあ、食べてはいけないとは知らなかった。ごめんごめん。」という感じで、寄り付かなくなります。でもイチゴやラズベリーはネットをしてもどうしても抵抗できないみたいで、くちばしの届く限りのところをつついています。「食べちゃだめなの?マジ?そんなのないよ。食べさせてよ。」という感じで。まああちらも、この季節は雛を育てたりいろいろ大変だろうから、収穫のときに痛んだものや傷がついたりしているものは、畑の周りに放ってやると、ちゃんと食べています。


イチゴの季節が終わりに近づいて食べ飽きたころは、ネットをはずして残りを鳥にあげます。来年まで休戦の記しに。


いくらネットをしていても、畑に行くたびにたくさん鳥が飛び立ちます。でも特に被害があるわけでもない。これはどうやら、地面をつついてミミズを食べたり、枝についている害虫を食べたりしているようです。ミミズは畑の友達ですから、あまり食べられるのもよくないけど、ナメクジだって食べてくれているようです。特にスラッシュという鳥はカタツムリが好きで、カタツムリを咥えて、石に叩き付けで殻を割って食べています。だから鳥は畑の敵とはいちがいにはいえない。


私のように有機栽培で育てると、そのままにしていてはまず育ちません。ネットをかけたり白いフリースをかけたり、有機栽培で許可されている薬を使ったり、時には手で虫を一つ一つ取ったりします。キャベツ類はどうしてもネットをかけていても芋虫、青虫がついて、ちっと気持ち悪いけど、手で一つ一つ処理します。


それは面倒ではあるのだけど、考えてみれば、何かを育てるとそれを食べに何らかの虫や鳥がやってくるとういのは、自然のエコシステムが健全に働いているということ。それを思えば、普段はナメクジや鳥を目の敵にしても、本当はありがたいことなんです。ちょっと目を離すと雑草だらけになるのも、それだけ土に生命を育む力がある証拠です。


雑草といえば、いくらよく手入れした花壇や畑でも1シーズン放っておくと、完全な雑草畑になります。それをさらに放っておいて、100年もほったらかしにすれば、どんな土地でも森になるそうです。地球にはそういう力がまだまだあるのだなあと思うと、少し心が温まるなあと思いませんか。






写真は今日の晩御飯。ぜんぜん普通の食事なんですが、私にすればいろいろこまごまと作って品数が多かったので写真に撮りましたが、こうしてみてみると、あまり多くもないかなあ。


チーズオムレツ
茹チャード(というほうれん草のような野菜)のバターあえ
ポテトサラダ
茹アーティチョーク
ガーリックブレッド


デザートはイチゴともものフルーツサラダ。お好みでクリームを。



4 件のコメント:

こんの さんのコメント...

あつこさん 今日のブログもこころがほんわして、優しい気分になりました

写真もいいですねぇ 爽やかです

ポエム すてきです!

あつこさん こころやさしいのですねぇ

「天童の家」ですが、今さくらんぼの収穫で忙しいです。今朝は5時前に起床し、朝ご飯前に一仕事してきました
今、朝食後でパソコンに向かってますが、直ぐに畑へ行きます

さくらんぼが終われば、ゆっくりできます

Atsuko さんのコメント...

ありがとうございます。「心優しい」なんて人に言われたのは、初めてのような気がします。

さくらんぼの季節って夏が本格的に来る前に終わってしまうんですね。結構短いですね。終わったらちょっと気がぬけるのではありませんか。それ以降は畑のほかの作物が忙しくなるのでしょうか。

こんの さんのコメント...

「天童の家」では、以前はモモ・スモモ・ウメ・ブドウなどを栽培(両親)していましたが、父が亡くなり、母一人でブドウで精一杯でした
そのブドウも豪雪でブドウ棚が倒壊、それ以来サクランボとウメだけになってます

サクランボの他は、野菜・ソバなど自家用のそれを...
ですから、さくらんぼが終われば忙しさはなくなります

「文章」には、人柄が如実に現れます。文体とかではなく、行間にこころがにじみ出ます
それで(優しい)のが分かります
ただ、人は誰でも多少は多重人格ですから、いつも優しさが表面に出てることはないのです

Atsuko さんのコメント...

ぶどう、残念でしたね。おいしかったでしょうねえ。さくらんぼの収穫、もう少しですね。がんばってください。

こんのさんに言われて、また「私ってもしかして優しいのかも。」という気になってきました。セラピー受けてるみたいですね。