2015年12月29日火曜日

Searching for Sugar Man、すごくいい映画を観ました

クリスマスの日に家族で、DVDですごくいい映画を観たので、紹介します。

この映画は1年ほど前に、大学のときの友達が勧めてくれて知りました。そのときに調べて、面白そうだから見たいなあと思ってそのままになっていたのですが、11月にアマゾンで買い物をするときに送料無料にするために、思い出して他の買い物と一緒に買いました。それを怠け者ルイが私から買い上げ、 クリスマスプレゼントにくれました。(この合理的システム、結構好きです。)

映画のタイトルはSearching for Sugar Manと言います。アメリカのあるミュージシャンについてのドキュメンタリーです。2012年にドキュメンタリー部門でアカデミー賞に輝きました。

1970年代に、アメリカでロドリゲス というシンガーが2枚アルバムを出します。周りのプロからの高い評価にもかかわらず、おそらく彼がメキシコ人であることから、ろくにプロモーションもされず、米国音楽シーンからあっさりと消えます。それで音楽をあきらめて、デトロイトで貧しい地区の小さな家に住み、工事現場などの肉体労働をして家族を養って暮らしていました。その頃を知る人達によれば、「ホームレスよりちょっとましな程度。」といった苦しい暮らしぶりだったそうです。

ところが彼がまったく知らないところで、彼の音楽が、アパルトヘイト下の南アで、白人の若者間での政府とアパルトヘイト体制に対する反対運動のシンボル的な音楽になります。当時は南アの中流の家庭のレコードコレクションには、ビートルズのサージェントペッパーズと、サイモンとガーファンフルの明日にかける橋と、このロドリゲスのコールドファクトというレコードが必ずあるとまで、言われていました。南アでは、一部ではエルビス以上に人気があったとまで言われていたそうです。

それだけレコードが売れていれば、印税が入ってきてもよさそうなものなのに、 彼のところには1セントも入ってこなかったし、南アで売れていることもまったく知らされませんでした。レコード会社が印税を、ロドリゲスに知らせることなく一切うやむやにして、着服していたのです。(この辺の音楽産業の汚さについても、ちらりとドキュメンタリーで触れられています。)

南アはその頃厳しいメディア規制があり、南ア人はロドリゲスのことを何も知りませんでした。そもそもアメリカでもまったく無名だし、情報そのものがなかったのかもしれません。

そのうちに、ロドリゲスは ステージで、焼身したかガンで頭を打ち抜いて自殺したとの噂が広まりました。

それで90年代に、二人のロドリゲスファンが、この噂の真偽を確かめ、ロドリゲスがいったいどんな人物だったのかを知るための調査を始めました。ネットでの情報収集を始め、牛乳のカートンに広告を出したり、南アとアメリカのレコード会社に連絡したりと、かなり本格的に調査したようです。

ここまでが前半です。後半はぜひ映画を見てください。
とにかく、ここ数年見た中で一番いい映画でした。私だけでなく、家族も子供たちもみんな同じく感動してました。私は見終わって早速アマゾンで、この映画のサウンドトラック(ロドリゲスのオリジナルの曲)のCDを注文したし、子供たちは翌日は二人とも鼻唄で「シュガ~マ~ン・・・・」と歌ってました。

ちなみに日本語では、「シュガーマン奇跡に愛された男」というくさい邦題がついてます。

ではこちらもよろしく

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2 件のコメント:

あくあ さんのコメント...

えーー、めっちゃ観たい!うまいなぁ(笑)

Atsuko さんのコメント...

みてみて~、すごくいろんな人に見てもらいたいねん。そういう映画。あくあさんも見たら、人に勧めたくなるよ~。