2011年6月16日木曜日

風の農場

 家の近くの道路から遠くに見える場所に最近大きい風車が二つ建ちました。風車と言ってもオランダの風車とはぜんぜん違って、こんな感じのすごくモダンな風車です。これは何かというと風力発電のためのターバインです。
ネットからの写真を拝借


イギリスは日本と違って緯度が高いので太陽電力の開発はそれほど盛んじゃありません。(それでも個人の家の屋根につける太陽電池のパネルは時々見かけますが。)でも風が強いので風力発電と、波発電の開発が一番進んでるようです。

家から見える風車はつい最近できたようです。そしてチャーリーの小学校の近くから海の方向を見ると、対岸の遠くの野原に同じようなターバインが5つほど見えます。これも今開発中のウィンドファームで、20個くらい立つ予定です。友人がたまたま高速を走っていると、この風車の一部を乗せたトラックとすれ違ったそうです。1車線では収まらないような大型トラックに積まれているのは、この羽のひとつだけで、警察のエスコートで同じようなトラックが何台も風車の巨大な部品を乗せて走っていったとのこと。そういえばラジオの交通情報でも、「風車の移動のため道路渋滞。」というコメントを何度か聞きました。

ウィンド・ファーム(Wind Farm)と書きましたが、こうやってこのターバインが並ぶ場所はそう呼ばれています。「風の農場。」なんか詩的な名前だと思いませんか?

でも実は反対派も多いんですよ。まず景色が損なわれると言うのが一番多い苦情。私なんかはこれも結構いい風景だと思うんだけど、まあその意見も分からないでもないですね。田園的な風景が損なわれるのは確か。 それから近くに住む人には音がうるさいそうです。

イギリスでもエネルギー問題、環境問題は大きいトピックですから、こういったリニューアルエネルギー開発が必要だと思ってる人が大半だと思うんだけど、それが自分の生活にちょっとでも支障をきたしたら反対。イギリス人は結構身勝手です。 じゃあ、ウィンド・ファームの代わりに原発ができたほうがいいの?

話は飛ぶようですが、村上春樹氏がスペインのカタルーニャでしたスピーチの原稿がネットで出ていましたが読みましたか? まだの人はこちら。
http://mainichi.jp/enta/art/news/20110611k0000m040017000c.html

  内容は地震の話が多いのですが、そこから原発事故の話になります。日本は唯一の被爆国で放射線の怖さも知っているし核に対するアレルギーも強かったはずなのに、現代社会の電力の必要から、「効率」「便利さ」を追求する電力会社に操られて、いつの間にか「まあしょうがないか」と思うようになって来た。その辺の批判がスピーチの後半を締めくくります。

私もこの辺は同じような意見です。というか、私自身もそういう一人だったなあと思います。昔はまあマイルドな原発反対派だったんだけど、環境問題の切実化で、CO2の排出がない原発はクリーンなエネルギー源だと言う意見に 押されていました。「まあ、しゃあないかなあ。」という感じで。

今でもプラカードを挙げて行進するほどではないけれど、やっぱり原発はこれ以上は進めて欲しくないと思いますね。いくら原発がコストパフォーマンスがいいとはいえ、風、太陽、波のエネルギー開発、資力さえ注げば、あと10年もすればコスト低くこういったエネルギーを使うテクノロジーが開発されないとは思えないんですが。

そういうわけで、ちょうどこのタイミングでウィンドファームがこのあたりに連立して、いつも満足した気持ちでその景色を眺めています。

そういえばあの津波の映像だけど、あれも見るとどれだけ波の力が強いかが改めて分かりますね。潮の満ち干なんてその高さまで100年以上も先まで予測できるんだから、特に日本やイギリスなんてこれも開発しなんてもったいないですよ。

そうなるとこれはウェーブ・ファームと呼ばれるのか? まあそうなったらそうなったで漁師とかサーファーとか観光局から苦情が出るだろうけど、 その辺はもっとグローバルに考えないと。

個人的な話に代わりますが、土日は子供の競泳で朝から晩まで車の中かプールサイドに座りっぱなし。それで今週は火曜はプールで1500メートル泳いで、昨日は2キロほどランニング、そして今日は10キロほど海岸を歩きました。結構足にきていますが、運動すると気分はいいですね。

でもまた週末はプールサイドに缶詰だあ。

ではよろしければこちらのボタンのクリック、よろしくお願いいたします。
人気ブログランキングへ

7 件のコメント:

こんの さんのコメント...

> 運動すると気分はいいですね
そ、そうですねぇ(笑い)

エネルギー問題... 大きな課題ですね
地震国日本の進む道が今回の3.11 で、はっきり見えてきたような気がしますです

こんの さんのコメント...

>「風の農場。」なんか詩的な名前だと思いませんか?

あぁ、確かにそう思いますです

Atsuko さんのコメント...

こんのさん、やっぱり原発はもうこれ以上は開発されないのでしょうか。どう考えても地元の反対などを考えると、無理でしょうね。

あくあ さんのコメント...

きれいな風景ですよね。本物の写真が見てみたいな。

原発はもう無理ですよ。推進派が何を言ったって、受け入れる地域がないんじゃない?

http://hiroakikoide.wordpress.com/

http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/

この辺にいろいろ情報がありますよ。

Atsuko さんのコメント...

あくあさん、ちらりと見てみました。全部は読めないのでちらり読みしましたが、うーん、だまされたいたのかも。

反対派は感情的になりすぎるきらいがあるし、推進派はどうも胡散臭くて信じられない。原発に関してはもう信頼関係が修復しようなく壊れてしまったので、少なくとも日本では100年は無理でしょうね。その間にその他のエネルギーの開発に人類に英知を注いで欲しいです。

この写真ですが、もしかしたらイギリスなんじゃないかなあ。この辺もこんな感じです。空の色が普段はグレーだけど。

本読みと山歩き さんのコメント...

自然エネルギーの利用は依然より注目しておりました。
この風力発電しかり、いろいろ一長一短がありますが、私は地熱発電が好きなんですが。
なぜならすべて国産ですべてを国産で賄えて、エネルギーも安定しているからです!

どのエネルギーを活用するかは、(業界と癒着のない)専門家に任せて日本の行く末を見守りましょう。

Atsuko さんのコメント...

山歩きさん、この地震と原発事故を機に、日本が先導してリニューアブルエネルギーの開発が大きく進めばいいなあと思います。

国によって何がいいかは違うんでしょうね。地震のないヨーロッパと同じように原発を考えた日本があほやったんですなあ。日本は緯度も低いし、海にも囲まれてるし、山も多いし、その辺を考慮して進めて欲しいものです。イギリスはやっぱり風と波かな。