2016年1月12日火曜日

医学部受ける?

先日知人の家に週末泊りがけで遊びに行ったときに、そこの奥さんが総合病院の集中治療室の婦長さんなので、ルイを1時間ほど病院のICUに見学に連れて行ってくれました。患者さんはだいたい意識不明だったので話は聞けなかったけど、先生の一人に話をいろいろ聞いてきたようです。

イギリスで医学部に行くためには、ワークエクスペリエンス というのが必要です。いくつかの病院のいろんな部門を見学したり、お医者さんについて数日日過ごしたりすることです。

でもこれが難しく、親泣かせなんですよ。だって、なかなか簡単に、病院の見学や、忙しい先生について回ったりさせてくれないからです。しかも最近は、患者さんの情報保護の問題もあるので、さらに難しい。就職先探す以上に、手紙やメールをあちこち送っても、なかなかいい返事はないです。

そしてこれとは別に、病院関係だけでなく、老人ホームや障害者施設などで長期的にバイトしたりボランティアすることも必要です。ホームレスの施設やフードバンクなど、Diseased, Deisabled, Disadvantaged(病気、障害者、不遇な環境)の3Dの人々とかかわりのある環境で働いたり、ボランティアしないといけません。

しかも、どれだけすればオッケーという基準もない。たくさんすればするほどいいわけだけど、他の勉強との兼ね合いもあるし、夏に受ける医学部の適正試験(IQテストの医学部版のようなもの)の練習もしないといけない。 果てしないです。

お医者さんになるのは、成績がいいのはもちろんだけど、実際のAレベルの成績は、オックスフォードとケンブリッジを除けば、超優秀である必要はないようです。

つまり医学部の合否は、成績、ワークエクスペリエンス、適正試験の総合で決まります。どれに比重が置かれるかは、個々の大学次第。というか、AレベルがAAAが前提で、その振り分けにその他の要因が使われると言っても、いいかもしれません。

そういうのは、大学にとっても医療界にとっても、きっといいことだと思います。イギリスでお医者さんになるには、5年か6年医学部に行き、まず激務で知られているジュニアドクターになります。そしてその後は、働きながら、専門分野によって3年から10年以上勉強して、やっとGP(ホームドクター)や専門医になれます。お医者さんになったらなったで、これまた激務。

よっぽどの覚悟がないと、やってられる仕事じゃないようです。理系で成績がよければ、大企業のエンジニアやITマネジャーなどになったほうがよっぽど早く高給が取れるんじゃないでしょうか。

ルイは遅ればせながら、今いろいろワークエクスペリエンス探してます。いくつかめどがついてきたので、ちょっと光が見えてきたかな。

でも、この期に及んでも、未だに私はルイに、「本当に医学部に行きたいの?」と時々聞いてます。行きたいらしい。

ルイが白衣を来て、ラテックスの手袋はめているところが、なんとなくイメージできるようになって来ました。

先は長い。

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6 件のコメント:

foo さんのコメント...

fooと申します。うちは2人の子どもがすでに英医学部で、昨夏から医学部受験関連のブログを書いています。レスポンスが薄いブログでちょっとマンネリ気味になっていますが、もしもお時間があったら、お立ち寄りくださいね。

あくあ さんのコメント...

へえ、ルイちゃん、ほんとにお医者さんになりそうですね。あれだけかっこよくてお医者さんだと、もてすぎてやばいよ。お母さん、心配~。

Atsuko さんのコメント...

fooさん、ありがとうございます。早速ブログ、チラッと拝見しました。カテゴリーに分かれていて、すごく参考になりそうです。後でゆっくり全部読みます。これからもよろしくお願いします。


Atsuko さんのコメント...

あくあさん、しかし最近は、ヘビメタの聞きすぎか、なんか常に機嫌悪くて、昔の気のいいかわいらしさがなくなったよ。あれで本当に患者さんとコミュニケーションとったり出来るのか、心配すぎる。
本当に医学部行ったら、忙しすぎて彼女どころでないかも。

foo さんのコメント...

Atsukoさん

押し売りみたいですみません。でも商売でやってるブログでは全然ないので、ご安心ください。純粋に、うちの経験が役に立てばなと思って書いているブログです。留学生向けではなくて、国内生向けの受験情報です。それとうちは公立の普通の6th formからの進学で、近い親戚に医者はいません。なので、それでも大丈夫と自信を持って言えるのですが、公立の先生は医学部受験に口出ししないので(=正確に言うと知識を持たない)、そこが問題といえば(大)問題です。ではでは

Atsuko さんのコメント...

fooさん、押し売りなんてとんでもないです。全部のエントリーを読もうと、今半分くらいさかのぼりながら読んでいるところです。本当に参考になります。The Student room やStudent BMJの記事や、本も何冊か買いましたが、Fooさんの記事は、まとまっていてわかりやすいです。
本当に医学部受験には、情報が大切だと実感してます。公立高校は、本当に先生があんまり受験の知識がないのは感じます。応援はしてくれてるんだけど。
またあらためてFOOさんのブログのほうにコメントします。ありがとうございます。